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蛇頭「三包(さんぱお)」ビジネス

(読売新聞朝刊 1999年5月10日)

「あいりん」舞台に 中国人年収の最高80倍・手数料を資金源 大阪入管調査

不法就労目当ての大量密航が各地で相次いで発覚する中、大阪あいりん地区に潜入した中国人らが中国の密航あっせん組織・蛇頭と「密航・仕事・住居」をセットした「三包」と呼ばれる契約で入国している実態が9日、大阪入国管理局の調査でわかった。「三包」の料金は中国人の平均年収の最高80倍に達し、蛇頭の有力な資金源になっている。同入管は不法就労希望者があいりん地区に集中して送り込まれていると判断、府警と連携し取り締まりを強化するとともに、同地区を舞台にした<蛇頭ビジネス>の全容解明を急ぐ。

同入管は昨年9月、あいりん地区周辺の西成、浪速両区などで摘発した不法滞在の中国人20人を 調査。その結果、全員が密航と仕事のあっせん、住居の提供を蛇頭と結び、不法入国していたことがわかった。

うち15人は船で集団密航し、残り5人は蛇頭に金を払って得た他人名義の旅券で空路入国。いずれも入国後は蛇頭のアジトに留め置かれ、その間に国際電話で中国の実家に手数料を支払うよう連絡。入金が確認されると、マイクロバスなどであいりん地区に運ばれ、中国人の就労希望者をあっせんするブローカーと引き合わせて簡易宿泊所を紹介されたという。

手数料は10万-25万元(170万-420万円)で、中国の都市労働者の平均年収約産前300元(約5万6千円)の30-80倍に当たる高額。

船で密航した福建省出身の男性(33)の場合、1997年8月、大型貨物船のエンジンルームに26人で隠れて大阪南港から入国。母国の父親(82)に電話をかけ、父親が手数料約19万元(320万円)を蛇頭側に入金した後、ブローカーを紹介され土木作業現場で働き始めたという。

密航者の目的はいずれも出稼ぎで、同省出身の男性(30)は「中国では運転手をしていたが稼ぎが悪く、日本で金儲けをしたかった」と供述。同省出身の別の男性(34)は、母国での平均年収の四倍近い20万円を毎月、家族に送金していた。

同入管は、20人がそろって三包契約であいりん地区に送り込まれていた点を重視。蛇頭と同様の契約を結んだ相当数の密航者が、同地区で不法就労しているとみて、摘発を進める。

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