Make your own free website on Tripod.com

本当に日蓮宗僧侶が創価学会員になったのか

(所報第35号:68頁〜)

伊藤立教(現代宗教研究所嘱託 新宗教研究プロジェクト座長)

創価学会発行の月刊誌『第三文明』平成十二年二月号に、「感動再録・他宗の僧侶も入会する時代―真実の宗教を求めて―元身延派日蓮宗高橋一淳さんの場合」という記事が載った。

実名と顔写真が載っている高橋一淳なる人物は、記事のなかでは北海道札幌市内の身延派日蓮宗住職(70)となっている。

創価学会は、これに先立つ機関誌「聖教新聞」三月二十六日付記事で、第四十四回本部幹部会で秋谷栄之助会長が、「昭和三十年の小樽問答に出席していた身延派の僧侶が、学会は正しいと認め、青年部の折伏で入会したとの報告がありました」と語り、同紙四月十八日付コラム「名字の言」欄で、「さきごろ北海道で、日蓮宗僧侶が入会した」と書き、同じく四月二十一日付記事で、野村繁敏副会長(北海道書記長)も同様のことを話している。

本当に、日蓮宗僧侶が創価学会員になったのか。

『第三文明』記事は、次のような要旨である。北海道市内の男子部地区リーダーが、子どものころから付き合いのある身延派日蓮宗住職を入会させ、謗法払いを済ませ、一月二日に御本尊を迎えさせた。自分が死んだら学会の友人葬でたのむ、と相談されたのがきっかけ。学会の友人葬に感動したことが、入会の直接の動機、という内容である。

宗務院・宗務所・地元日蓮宗僧侶の尽力による調査の結果、高橋一淳なる人物は実在するようだが、創価学会の記事とは、年令と経歴もちがうから、本人かどうかわからない。

当方の調査では現在六十七歳、小樽問答当時は日蓮宗の僧侶ではなく、昭和五十年の僧階新叙後に札幌市内で結社教導に就任しているから住職ではなく、同五十年に本人の事情で結社を解散し僧籍を削除されているから日蓮宗僧侶でもないのである。

さらに調査したところ、本人が特定できたうえ、面会することができ、直接に事情をきくことができた。

本人によると、自分は創価学会には入っていない、謗法払いはしていない、『第三文明』の顔写真は自分にまちがいないが、その後学会から一切連絡はない、ということである。

高橋一淳氏が入会したという平成十二年一月二日は、日蓮宗と創価学会が「問答」したという小樽問答から四十五年目で池田大作名誉会長の誕生日、という意味がある。こういう節目に邪教身延派の僧侶が入会したことに偉大な意義がある、創価学会はすばらしい、といいたいのであろう。

この五年前の小樽問答四十周年の折にも「聖教新聞」平成七年三月十一日付社説で、日蓮宗側講師の長谷川義一は顕本法華宗の僧侶、と揶揄した。この点を石川教張師は、『日蓮宗の近現代』で批判し、対応している。

また公明新聞平成十二年五月十日付座談会記事で、石橋堪山師が総理大臣になったとき権大僧正に特進させたのは政教一致,と非難した。この点は中濃教篤師が,直後発行の「仏教タイムス」で批判、対応している。

今回も、事実関係を確認した。でないと、日蓮宗僧侶が創価学会員になったという「事実」ができてしまう。小樽問答「勝利」は、創価学会では「事実」なのである。

いま創価学会は、他宗他派との対話という表看板をかかげてはいるが、実態は、他宗他派に末端から浸透しようとする「総体革命」路線にほかならないのである。握手を求めながら、「邪教」とさけぶのだから。

防非止悪・広宣流布をめざす教化の現場では、ひとつひとつの事実を確認し、批判すべきは批判する勇気が求められているのではないか、祖願|お祖師さまの誓願|達成のために。

創価学会発行雑誌『第三文明』に「創価学会に入信した日蓮宗住職高橋一淳」と記載された内容についての現地調査報告。

調査日時 第一回 平成十二年 十月 十日(火)― 十一日(水)

第二回      十二月十一日(月)― 十二日(火)

調査場所 北海道札幌市

調査人員 現宗研主任 影山教俊

嘱託 伊藤立教

所員 作田光照

調査協力 光明寺住職 田中文教

調査事情 『第三文明』平成十二年六月号に、小樽問答から四十五年目の今年一月、日蓮宗僧侶として参加して日蓮

宗敗北を感じていた高橋一淳なる者が、友人葬に感激して創価学会に入会した、と顔写真入りで紹介されている。宗務院と宗務所の調査によれば、昭和四十九年度牒、昭和五十一年結社教導職就任、昭和五十八年国法違背の非行あり昭和五十九年結社解散・僧籍削除となっており、小樽問答当時は日蓮宗僧侶ではないばかりか、『第三文明』記事と年齢などで相違が多い。行方不明のため、本人確認と内容確認のため、活動地の札幌市で調査した。

調査内容 本人の現住所が特定でき、直接面会した。創価学会には入っていない、記事の顔写真と姓名は間違いない、以後は創価学会から連絡なし、との証言を得た。

確認事項 『第三文明』平成十二年六月号記事、同様の内容である創価学会機関紙「聖教新聞」平成十二年三月二十

六日号・四月十八日号・四月二十一日号記事は誤りである。日蓮宗新聞平成十三年二月一日号で報告。

Copyright(C)2002- 「日本専門」情報機関(日本の情報の収集と保存)