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公明党・創価学会が黙認した「お題目差し止め事件」

(「お題目差し止め事件」を考える)

梅森寛誠

ある意味では一応の決着を見た「事件」かも知れない。が、これに少々かかわった者として、その経過やその間の体験から、教化上の意味を表明しておきたい。

●「事件」の概要

九九年四月一日、日本山妙法寺僧侶が衆議院面会所に於いて国会衛視(国会に於いて警備に当たる職員)から「お題目が示威行為に当たるから止めろ」と威圧強要された。僧侶らは居合わせた市民らと抗議したが法的根拠は示さず。(新ガイドライン関連法案に反対する集会に参加するために訪れた際の妨害行為。衛視個人の行為ではなく組織としての判断と指令)僧侶らは人権救済の申し立てをしたという。

朝日新聞がまず「事件」を報じ、仏教タイムスが詳しくとりあげた。「著しく●宗教的尊厳≠傷つけるもの、数ある題目系教団から何らかのアクションがあってもよさそうなものだが」。何度かの行動体験から、現場が大音声等いわゆる「示威行為」をとれる場所でないことは知っていた。僧侶は私の知る人でもあり、念のため状況確認をした。「お題目教団が無関心もしくは黙殺している現状がより深刻」と語った。

ちなみに、創価学会が仮にお題目教団なら、反駁するなり「政治的」な対応をするはず。自自公連立に向かう公明党の閣外協力によって件の新法が成立したことと考え合わせると合点がいく。「お題目」を利用するだけの団体だと確認できた。

●抗議ハガキ作成、教化センターのあり方は

ところが、お題目総弘通運動を展開している本宗も沈黙。(キリスト教諸団体や市民グループは即座に抗議)いらだちを覚えた。待っていてはダメだ、憂慮する事実を知って傍観はできない、と意を決し行動を開始した。

まず事実を知らせ、その上で各自の判断で現場の責任者である衆院議長(当時=以下同)あてに抗議ハガキを出してもらおう、と。たまたま私が地元の教化センター代表となる時期と重なり、何度かの論議を経て宮城教化センター名で、全国の宗務所及び教化センターに発信した。内部で、「事実を知らせるにとどめては」や「政治的」との反応もあったが。情報提供に加えて、各自が信仰者の立場で判断し行動していく意味、呼びかけが新ガイドライン関連法案とは別次元の問題(政治思想信条、宗派的利害を超えている)たることを説得した。僧侶の宗教行為が国会議員によって歪曲侮辱された意味で、憲法二十条(信教の自由)を侵すものだと、他教団・一般市民用に若干文面を変えて周囲にも呼びかけ訴えた。

その過程で、教化センターのあり方も考えさせられた。今日の時代社会のできごと、しかもお題目の危機に対して沈黙・傍観して、その役目を果たし得るのか。こぎれいでスマートな布教教化資料を作成するだけが仕事ではないはずだ。

●反響と経過

幸い、東京西部教化センターが機関紙に大きく紹介した。東京南部宗務所では当該僧侶を招いて教師研修会を開いた。弁護士から衆院議長あてに出した質問書の回答書が返ってきたという。事実上の謝罪とも受け止め得る内容であったという。相当数の抗議ハガキが送られその効果も少なからずあったのではと思われる。

私は、呼びかけは自坊の全檀信徒に配り、お盆訪問の際に直接説明する機会も得た。抗議ハガキの形は市民運動では一般的だが、受け取る側では戸惑いもあったかも知れない。が、私たちの信心を意思表示する意味を伝え、護法の念を意識させていくことにもなった。概ね好意的な反応だった。たまたま衆院議長が地元選出職員であったことから誤解を受けかねなかったが、かえって関心をもってくれた。

また、『日蓮宗新聞』が掲載してくれたので、本宗の檀信徒と称する未知の人からの問い合わせが数件。賛否それぞれの意見交換をすることができた。

●常不軽菩薩の礼拝行の意味

相手の仏性を拝むことだと教えられ、またそう伝えてきた。市民用の呼びかけ文には「仏教的平等かつ平和への意思表示」と伝えた。経典には、心不浄なる者が礼拝する者に対して悪口罵詈し打擲を加える旨が示される。現実に、「お題目を止めろ」と不当に妨害、侮辱が加えられた。経典の通り、心にやましさをもつ者(新ガイドライン関連法〈戦争協力法〉を推進しようとする者)にとってお題目が耐え難い(良心の奥底が揺さぶられるような)ものであることを、此度の体験からも読み取れる。

この「事件」は、そのことを教えてくれ、学びかつ弘める機会を与えてくれた。お題目の大いなる力をさらに確信し、自信と責任の自覚をも促したい。「立正安国」そして「お題目総弘通運動」が、今日の現実社会の中で、どういうことなのか、も。

(日蓮宗現代宗教研究所嘱託宮城県法運寺住職 )

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