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名誉棄損訴訟で創価学会が負けた

(連載/パリ通信(12))

広岡裕児(国際ジャーナリスト/パリ在住)

ちょっと古いニュースで恐縮だが、ようやく判決文による確認ができたので、お伝えしたい。

二〇〇一年十二月十三日、創価学会が名誉毀損訴訟で負けた。

スイスや、イタリアの国境、四年前のサッカーW杯のとき日本チームがキャンプを張ったエクス・レ・バンなどのあるサヴォア地方の有力地方紙「ドフィネ・リベレ」が、一九九九年一〇月一一日付で

「創価学会は我々の地方で信者をあつめている。奇妙な仏教徒」

「健康、繁栄、社会的成功……これが仏教から着想を得たというこの日本の組織が約束するものだ。しかし、実際には、その実践はセクトのそれと同族だ。ちなみに一九九六年の国会報告はセクトとしてリストアップしている」という記事を出した。

二〇〇〇年一月十一日創価学会インターナショナルフランス、創価学会フランス、創価学会が連名で日本の地方裁判所にあたるアヌシー大審裁判所に新聞社、記者などを名誉棄損で提訴した。

同じような名前が三つ並んだが、前の二つはフランスの一九〇一年法による非営利社団、ただの創価学会は所在地信濃町の日本法人である。フランスでわざわざSGIとそうでない法人とに分けているのは色々ワケありなのだが、今回は触れないでおく。

弁護側は「記者は善意であり、先入観なく取材し、創価学会の主張も載せた。記者は証言や創価学会について述べたセクトに関する本や記事を読み、国民議会報告とフランス仏教連合(UBF)の手紙などを参照し、創価学会自身の出版物である『第三文明』(フランス語版)から憂慮される性格を告発しただけである」(要約)と主張した。

なお、UBFは公認の唯一の仏教諸派の全国連絡組織である。

原告は「名誉毀損の事実の真実の証明は、完全かつ完璧でさまざまな該当部分について全面的に合致するものでなければならない。  しかし一九九六年の国民議会報告はそうではない。それは創価学会の活動について十分な指示物をもたらしていない。セクトについての本やADFIの機関誌もおなじである」などと主張。

どうやら国民議会報告(九五年提出九六年公刊)の信頼を崩したかったようだ。

だが思惑通りには行かず、逆に「証拠として提出された『第三文明』を読んでみると、脳膜炎にかかった一五歳の子供が『ダイモク』で治った、牛乳アレルギーの四歳の子供が『ダイモク』を唱えて治した医者を見つけた、そして同じ子供が、五歳半になったとき『もし誰かが病気になったと聞いたらすぐにダイモクをおこないそれを信じるんだ』と言ったことになっている。

記者は少なくとも問題にはなるこれらの要素から、正当にも警報を受けとめ、当該記事でインフォメーションの正当な目的を行使した」などと判決理由に書かれてしまった。

判決は日本の創価学会の訴訟はそもそも不受理。フランスの二法人は全面敗訴で民事訴訟法により費用充当分一五〇〇〇フラン(約二七万円)の支払を命じられた。

まさに、創価学会側がいうように完全完璧な証拠が必要な名誉毀損裁判で新聞社と記者に軍配があがったわけである。

新聞社によれば七月末現在まだ控訴通知はないとのこと。

先にあげた「第三文明」のオカルト療法っぽい話などは、フランス人がうがちすぎだ、日仏の文化の違いだ、で逃げられそうだが、裁判では、「メンバーは教化と罪の意識で、あらゆる反対意見を放棄してしまい、少しずつ創価学会がその人生を侵略する」というように創価学会のもつマインド・コントロールの恐怖が正面からとりあげられたことも特に記しておきたい。

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