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小泉が許す学会支配

(週刊金曜日 風速計)

佐高 信

2000年春、東京都大田区議会で、公明党の議員が珍妙な質問というか、要求を行なった。

「『週刊新潮』『週刊文春』『文藝春秋』を全大田区の全図書館から排除してもらいたい」

とりわけ最近、公明党および創価学会の露骨な攻撃の標的にされている『週刊新潮』の同年3月30日号によれば、この3誌が“指名”されたのは、とくにこの3誌が創価学会を批判し、この区議を含む学会員を不愉快にさせたかららしい。

今度出た天木直人(前駐レバノン特命全権大使)の『さらば外務省!』(講談社)も、学会は葬り去りたい本だろう。「私は小泉首相と売国官僚を許さない」が副題のこの本には、天木がオーストラリア公使として赴任した時、前任者のEが公金横領に関与した疑いが濃厚だと書いてある。

しかも、このEが創価学会青年部の幹部であることは省内周知の事実であり、息子に大作と名づけるほどの池田大作信奉者であることも知られていた。一大スキャンダルに発展しかねないこの疑惑を政府や外務省は必死で隠蔽しようとした、と天木は書く。

「これはなんとしてでも隠し通さなければならないと考える組織が、外務省の他にもあったとしたら。そしてその勢力が小泉政権と談合して、本件を闇に葬ったとしたら。

奇しくも、調査委員会の指揮をとった荒木(清寛)副大臣は公明党の参院議員である。この事件の背景に、連立政権と外務省の壮大な疑惑隠しの密約があったとすれば……」

こう指弾した天木に学会からどんな非難の矢が飛ぶか。

選挙で選ばれることのない公明党の委員長を長く続けた竹入義勝を、先年、学会は凄まじい罵詈の対象とした。「辞めるか辞めないかは、自分で決めることではない。任免は池田会長の意思であり、勝手に辞めるのは不遜の極みだ」などと『朝日新聞』の回顧録で書いたことが、池田の逆鱗に触れたからである。かりにも学会支配下の公明党の委員長だった人に、こうまで悪罵を並べるのかと、呆れさせるほどだった。「天下の変節男」「欺瞞の天才」「銭ゲバ」などの汚いコトバが『公明新聞』や『聖教新聞』に躍ったのである。

一切それに反論しなかった竹入の、回顧録の結びの一文はこうだった。

「政治が何かの利益団体のために、利益を擁護したり代弁したりする時代は終わりつつある。1つの団体や勢力が政党を支配したり、政党が奉仕したりする関係は、国民が目覚めてきて、あらゆる面で清算される時代になっている」

竹入の回顧録が連載されたのは1999年だが、残念ながら「清算される時代」はきていない。このまま、学会支配を許すのかどうかも今度の選挙の重要な争点だろう。

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