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弟・増元照明さんも怒る「公明党は学会員拉致被害者を見捨てた!」

(週刊文春 平成14年11月28日号)

市川修一さんと増元るみ子さんは創価学会の勉強会で知り合った

五人の拉致被害者が帰国して一ヶ月。拉致事件の解明は北朝鮮の強硬な姿勢によっていっこうに進んでいない。

だが、現実を眼前に突きつけられてなお、何の反省もないばかりか、あろうことか事件のための宣伝材料や政敵を難ずる道具にしようと考えている、恥ずべき集団が存在する。

公明党と共産党である。

十月十四日付の公明新聞は「拉致問題と左翼政党の対応」と題した記者座談会を掲載。<共産党の拉致問題への後ろ向きの姿勢は、同党が北朝鮮の朝鮮労働党と長く「友党」関係にあり、北朝鮮に迎合姿勢をとってきた過去と無関係でない>と指摘し、共産党と朝鮮労働党の共同声明や、共産党が推進した在日朝鮮人の帰還事業を取り上げて<共産主義の”兄弟党”として、北朝鮮との親密ぶりは、社民党なんか比じゃなかった>と共産党を痛罵した。

これに対し、十月十九日付のしんぶん赤旗は「事実ねじ曲げた公明党の党略的な攻撃に反論する」と題する二面見開き全段を使った反論を掲載。<公明党、金正日体制を礼賛>との見出しで、公明党も北朝鮮側との共同声明に署名していること。コメ支援に熱心だったことを指摘する一方、<拉致疑惑を初めてまとまった形で提議し、政府に認めさせたのは、日本共産党国会議員団でした>と自賛している。

その後、両党の鞘当ては、互いに相手を攻撃する号外を出し、「我こそは先に国会で拉致問題を取り上げた!」と自慢しあうという、実に不毛な場外乱闘に発展している。

「どちらも何もやってこなかったくせに、今頃、何を言っているのか。五十歩百歩、泥のかけ合いにすぎません。」

と呆れた様子で語るのは、増元るみ子さんの弟、増元照明氏(47)である。

「きちんとお話しするのは初めてですが、うちの父(故正一氏)は創価学会の信徒でした。ですから、先月、父が亡くなったときも、葬儀は学会の『友人葬』でした。

実は、姉も、姉と一緒に拉致された市川修一さんも、学会員です。そもそも姉と市川さんとは、学会青年部の地元の勉強会で知り合い、交際を始めたんですから。

私自身に信仰はありませんが、それでも名簿上は、学会員として登録されていたと思います。関心のなかった私も、姉が失踪したときはさすがに必死で拝みましたし、鹿児島の学会の方も、捜索に協力してくれました。しかし当の公明党は、北朝鮮の拉致の疑いが強くなってからも、姉や市川さんのために、何もしてくれなかったんです。」

九九年七月、鹿児島を訪れた浜四津敏子氏に、るみ子さんの父・正一氏が「拉致問題の解決どうかご協力ください。」と頼んだという。浜四津氏は「わかりました」と答えたが、以後連絡が来ることはなかった。

照明氏も、昨年、公明党本部にメールを送った。

「家族連絡会の事務局を名乗り、姉が学会員であることもきちんと書いて、拉致問題に対する公明党の対応を教えてほしいとしたためたのです。しかし、党からは『メールありがとうございました。ご意見は検討させていただきます』という、定型の挨拶文が返ってきただけでした。」

照明氏はまた、外務省出身の山本香苗参議院議員にもメールを送ったが、こっちは返事すらこなかったという。

こんな話もある。九七年、横田滋氏と蓮池透氏は、都議会に「拉致事件の早期解決を国に要請する意見書」を採択してもらうよう、頼みに行ったが、 「共産党は、『拉致事件』を『拉致疑惑』に、『北朝鮮』を『朝鮮民主主義人民共和国』に書き換えることでどうにか了承したが、公明党は、外交問題について地方議会が触れるべきでない、コメ支援に絡み政治状況が微妙なので慎重にすべきだなどと理由をつけて採択に反対。結局全会一致が得られず、意見書の採択はできなかったんです。 

中傷ではなく行動を

公明党議員を中心に、与党議員が十一月七日に結成した「日朝関係と人権を考える会」にも、「既に超党派の『拉致議連』があるのに、なぜ今さら新議連なのか」と、訝しむ声が上がった。

この新議連は「北朝鮮への帰還者の問題を中心に取り組む」(事務局長の漆原良夫公明党議員)というが、公明党関係者が自嘲気味に語る。

「学会の信者には在日朝鮮人も多いから、これまでは北朝鮮に強い姿勢を取れなかった。ところが五人の被害者が帰ってきて在日学会員の間に『帰還事業で北に渡った家族の安否を知りたい』という声が強くなると、今度は突然新たな議連を立ち上げる。選挙対策と共産党攻撃の一石二鳥を狙っているわけです。」

むろん、公明党が党利党略で動いているからといって、共産党の責任が減ぜられるわけでないことは当然だ。

「社民党や自民党の新北朝鮮議員よりも、いっそう露骨に拉致問題解決を妨害してきたのは、日本共産党です」

と告発するのは、元共産党議員秘書の兵本達吉氏。

氏は、十数年拉致事件の調査に取り組み、結果、党の査問を受け、党から除名された人物である。

「拉致問題がマスコミに注目されるようになるにつれて、党は調査を妨害するようになりました。いちいち報告を求め、報告すると、今度はメモにしろという。出張費も出なくなる。ひとつは、社会主義のイメージが低下することを恐れたのでしょうし、隣の国が恐ろしくて危険な国だということになると、有事法制の整備にも勢いがつく。また、党は朝鮮労働党との関係修復を図っていたようです。

七八年、レバノンで女性五人が北朝鮮に拉致されたときには、レバノン共産党と、pflpというパレスチナの極左組織が、朝鮮労働党に対して、『すぐに帰さないと、友好関係は終わりだ』と強硬にねじこみ、被害者を帰国させた実績がある。なぜ共産党にはできないのか。それが政治家の仕事ではないですか。

ところが不破さんは森首相との党首討論で『相手が国際犯罪を犯したというなら、よほど足場を固めていないといけない』『疑惑の段階から捜査が進まないなら、それにふさわしい交渉と解決の仕方がある』と、国会で拉致問題解決を妨害しているんです。

ふたたび増元氏が言う。

「九月十七日、八人死亡を伝えられたとき、私は会見で『社民党、共産党の方々、我々に言うことがあったら連絡してほしい』と言いました。あの時は、公明党議員の姿が目に入って言えなかったんですが、本当は公明党にも同じことを言おうと思っていました。私たちの望むものは、中傷や弁明のための百万言ではなく、解決のための率先した一つの行動なのです。

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