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図書館の自由と言論出版の自由を守ることについての申し入れ

(「しんぶん赤旗」 2001年5月29日)

日本共産党中央区議会議員団(東京都)

東京の日本共産党中央区議団が二十八日、中央区教育委員会におこなった「図書館の自由と言論出版の自由を守ることについての申し入れ」の全文はつぎのとおりです。

本年三月二十三日、中央区議会予算特別委員会総括質疑において、図書館の自由と言論出版の自由に介入し、それを侵すことにつながる発言が区議会の一会派によっておこなわれました。

同特別委員会総括質疑で中央区議会公明党の議員は、区立図書館の蔵書について数冊の具体的な書物名を挙げ、次のような主旨の質問をおこないました。(1)コンピューターシステムで「創価学会」を検索すると、創価学会を批判した本がこれほどある。一部の区民から偏った蔵書になっているとの声がある。(2)図書の選定は、だれが、どのようにおこなっているか。図書館の職員構成はどうなっているか。職員構成についてあとで資料がほしい。(3)人事異動が適切におこなわれているか。適正な人事異動をしていただきたい。これは強く要望する。

この発言は、「図書館の自由」「言論出版の自由」の立場からみて、見過ごすことのできない重大な問題をふくんでいると考えます。

「図書館の自由に関する宣言」一九七九年改訂(社団法人日本図書館協会 一九七九年五月三〇日総会決議)は、「図書館は、基本的人権のひとつとして、知る自由を持つ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする」とのべています。

そして「この任務を果たすために、図書館は次のことを確認し実践する」として次のことを挙げています。「第1 図書館は資料収集の自由を有する」「第2 図書館は資料提供の自由を有する」「第3 図書館は利用者の秘密を守る」「第4 図書館はすべての検閲に反対する」そしてさらに、「図書館の自由が侵されるときは、われわれは団結して、あくまで自由を守る」ことも明らかにしています。

公明党議員の質問は、まず第一に、図書館の資料収集の自由に事実上介入するものです。

「図書館の自由に関する宣言」は、国民のあらゆる資料要求にこたえる資料収集に当たって、(1)多様な、対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する、(2)著者の思想的、宗教的、党派的立場にとらわれて、その著作を排除することはしない、ことを挙げています。

同議員は、自らが所属する政党ときわめて密接な関係を持っていると社会的に広く指摘されている、特定の宗教団体を批判する本が区立図書館蔵書に多くあり、偏っていると一方的に断定して、「図書館の資料収集の自由」に基づく蔵書収集を非難しています。しかも、その断定のうえにさらに、あたかも図書館職員が意図的に図書選定をしているかのような一方的な断定をおこない、図書館員の職員構成資料まで求めて、個々の職員の図書館業務に介入しようとしています。さらにまた、その断定のもと図書館職員の人事異動まで求めています。このことは、「個人・組織・団体からの圧力や干渉によって収集の自由を放棄したり、紛糾をおそれて自己規制したりはしない」ことを宣言している図書館に対する、特定の巨大宗教団体の力を背景にしての圧力、干渉となるものです。

第二に「図書館の資料提供の自由」にも大きな影響を与える問題です。図書館がこのような団体の圧力を受け、ある種の資料を特別扱いしたり、書架から撤去、廃棄したりするようなことがあれば「図書館の資料提供の自由」は形骸化してしまいます。

第三に「図書館はすべての検閲に反対する」との図書館の立場を侵すことにつながります。

「図書館の自由に関する宣言」は、「検閲が、図書館における資料収集を事前に制約し、さらに収集した資料の書架からの撤去、廃棄に及ぶことは内外の苦渋にみちた歴史と経験より明らかである」とのべています。そして、「検閲と同様の結果をもたらすものとして、個人・組織・団体からの圧力や干渉がある。図書館はこれらの思想・言論の抑圧に対しても反対する」とのべています。同議員の発言は、この図書館の立場にも圧力をかけることになります。

こうした干渉、介入、圧力に屈することがあれば、結局、言論や出版の自由が影響を受け、「図書館の自由に関する宣言」が基礎においている日本国憲法の「表現の自由」が侵されることになります。宣言は、「日本国憲法は主権が国民に存するとの原理にもとづいており、この国民主権の原理を維持し発展させるためには、国民ひとりひとりが思想・意見を自由に発表し交換すること、すなわち表現の自由の保障が不可欠である。知る自由は、表現の送り手に対して保障されるべき自由と表裏一体をなすものであり、知る自由の保障があってこそ表現の自由は成立する」としています。

中央区教育委員会は、不当な介入、干渉、圧力に屈することなく「図書館の自由」を固く守るべきです。日本共産党中央区議会議員団はこのことを強く求めるものです。

日本共産党中央区議会議員団は、公明党議員の質疑内容の重大性を考え、同議員の質疑の直後の日本共産党の総括質疑において、公明党同議員の質疑をきびしく批判し、教育委員会の姿勢を質したことはご承知のとおりです。日本共産党中央区議会議員団は、ここにあらためて文書をもって強く申し入れるものです。

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