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在日朝鮮人への暴力に抗議の記者会見 「マスコミの圧力が雷雲のようだ」

(聖教新聞 2002年11月26日)

連載「ニュースの眼」

光沢昭義記者

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の拉致事件に絡む「在日への嫌がらせ・暴力・脅迫行為に抗議する」記者会見が22日、東京都千代田区の参院議員会館で開かれた。会見には、10人の在日朝鮮人が出席、250人以上の参加者を前に苦しい胸の内を語ってくれた。

人材育成コンサルタントの辛淑玉(シン・スゴ)氏は「昨年9月11日に米同時テロが起きた際、これが北朝鮮の犯行であれば明日から街を歩けないと思った。その危惧が今年、現実のものとなってしまった」と心情を吐露した。

チマ・チョゴリ(民族衣装)を着た女性への暴行事件をはじめ、「在日」を襲う“暴力の嵐”――朝鮮総連の発表によれば、子どもたちへの事件だけでも308件に及ぶという(10月5日現在)。一連の被害について、作家・梁石日(ヤン・ソギル)氏は「これは一種のテロ行為ではないか」と語気を強めた。

記者会見の終盤、歌手の李政美(イ・ジョンミ)氏が自作の歌を熱唱、生まれ育った日本の地を“わが故郷”と歌いあげた。国家間の交渉をめぐって何の罪もない在日朝鮮人が、何故これほどまで苦しまねばならないのか。場内からは、すすり泣く声も……。

この点、マスコミ報道の責任は大きい。ルポライターの姜誠(カン・ソン)氏も「容易にレイシズム(人種差別主義)に発展しかねない報道が見受けられる」と鋭く指摘する。

メディアは今、拉致事件の真相究明を声高に叫んでいるものの、一方で、過去の強制連行・慰安婦問題という日本が起こした国家犯罪には口を拭っている。その結果、「マスコミの圧力が雷雲のように落ちてきている」(作家・金石範=キム・ソクボム=氏)状況をつくってしまった。

司会者から発言を求められた強制連行問題などに詳しい田中宏・龍谷大教授は「どうして、私たちはこの(在日の)人たちと一緒にやっていけないんだろう」と痛恨の言葉を――。心の奥にまで深く響いた。

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