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063回-衆-法務委員会-25号 1970/05/12

○塚本委員 私は、今国会で多く議論がございました出版及び言論の自由を確保する問題、及び人権擁護につきましてお尋ねをしてみたいと思っております。

去る五月三日、創価学会池田大作会長は、総会において、言論及び出版の自由妨害について猛省している旨の発言があったと報道されております。われわれ国会議員として、彼、池田大作会長の国会喚問を要求した立場の者としましては、ほんとうに反省とおわびの心があり、一々の人に陳謝したいくらいの気持ちがおありならば、いさぎよく国会においでになって所信を披瀝されるべきだと信じております。だが、公明党や創価学会幹部の諸君にとっては、国会は真実の語れない場所だとの気持ちがおありのようでございます。今日の段階ともなれば、さらに今国会で事の真相をただすことを避けておられるので、時間的にもはや無理のようであります。今後はたして反省の行動があらわれるかいなか、また政教分離の約束が果たされるかいなかを見守ることといたしたい。

私は、今国会で取り上げられた言論・出版の自由妨害事件が、政党間のどろ仕合いとかあるいは党利党略の具として論ぜられることをおそれております。憲法二十条に明文化されております信教の自由と政教の分離、第二十一条の言論・出版の自由が今後とも厳に守られなければならないにもかかわらず、いまなお依然としてそれが守られておらない事実が出てきております。そのことを憂え悲しんで、ごく最近に起きた二、三の事件について具体的に指摘して、法務大臣の所見をお伺いしたいのでございます。

五月三日、池田大作会長発言につきまして、実は五月四日、五日、六日の三日間、東京第十二チャンネル午後六時から「ニュースレポート」ということで、五月三日の池田会長の言論・出版妨害、公明党及び創価学会の体質の分離、会長の任期制の問題等について、藤原弘達、内藤國夫、植村左内の三人がそれに対する見解をこの十二チャンネルで述べております。四、五の両日が三名で、六日が公明党の矢野書記長の発言が取り上げられる企画のようでございました。

ところが、五日放映の分が、三者ともに発言者の言いたい半分以上がカットされております。つまり池田会長自身に触れる問題で、創価学会が触れられたくないと想像される部分がカットされたと発言者は述べております。そのことについて五日に放映されなかったから、六日に大幅にカットされた本人が直接放送局に連絡をとったところ、これを企画、放映することについてはたいへんであったが、われわれとしてはやっとあそこまで持っていったんだとの返事であったそうでございます。担当責任者としては抑圧をはねのけて、あそこまでするだけでも大きな圧力があったと言わぬばかりの口ぶりだそうでございます。言論・出版の自由妨害について、せっかく池田会長自身が御発言になっておられるそのことについてわざわざ放送局がコメントを求めておきながら、そのコメントに対してカットされるということでは何も発言の意味がないと発言者は言っておるわけでございます。

一体その圧力らしきものはどこからかかってきたのか、本人が一番言いたい部分がカットされておる、そしてテレビ側もそれらしきことを漏らしておる、このことは実は言論の自由を守る私たちの立場としてはきわめて遺憾なことだ。事の真相につきましては、いわゆる発言者みずから私のところにそのことを訴えてきておりまするので、実は真偽のことは明白であると私は信じておるわけでございます。

一体こういう問題につきましては、いまだなおそのような実は言論の自由がどこからかの力でいわゆる抑圧を受けておるという事実に対しまして、大臣はどのような御所見をお持ちでございましょうか、お尋ねいたします。

○大竹政府委員 いまの具体的な事案については、検察庁として特に事件として受理はいたしておりませんので、どういう事実があったかということはよくわかっておりませんが、毎々大臣直接御答弁になったとも思いますが、いまのような事実があれば場合によっては刑事事件その他にもなりかねないと思っております。具体的な事案についてはよく調べてみなければ何とも申し上げかねると存じます。

○塚本委員 私は、刑事事件というような大げさな問題として取り上げようとは実は思っておらないのです。それよりも憲法を守るところの言論の自由、あるいはまた本人の言いたいことが重要な部分だけカットされてしまっているということで、その放送を聞いた人は、あっ、いつの間に彼は買収されてしまったのか、あるいはいつの間に転向されてしまったのかと、実は発言者自身がそれを聞いておる者、見ておる者からそのような疑いの電話をかけられてきております。このことは人権侵害に当たるのではないかということを考えるわけでございます。いかがでしょう。

○大竹政府委員 いま刑事事件について申し上げましたが、人権侵害の問題についても、いまの具体的な問題について何ら申し出がございませんので調査をいたしておりませんけれども、刑事事件あわせてまた人権侵犯になる場合もあろうかと思うのです。

○塚本委員 それは本人から申し出なければ政府としてはお取り上げにならぬのでございますか。実は人権侵犯事件処理規程によりますと、報道その他でもって耳にしたときは取り上げなければならないという処理規程があったと思いますので、自発的にお取り上げになる必要があるというふうに判断をいたしておりますが、いかがでしょう。

○大竹政府委員 規程にはそういう規定もあることを承知いたしておりますが、いままでの取り扱いその他の実際につきましては、いまここに局長が見えておりますから局長のほうから答弁させたいと思います。

○川島(一)政府委員 人権侵犯事件は、当事者のほうから申告がございました場合には、その申し出の内容が人権侵犯の疑いがあるという場合には当然調査をいたしております。そのほかに、当事者からそういった申し出がございません場合でも、新聞あるいは雑誌などによりまして人権侵犯の疑いが濃い、そういう事実が報道されました場合には、職権によって調査することもございます。ただ新聞その他だけに基づきまして調査をするという場合、これは非常に慎重を要するわけでございまして、それだけに相当いろいろな事情から判断いたしまして、これは人権擁護機関としてほうっておけないであろうという場合にだけ調査をするというような取り扱いをいたしております。

○塚本委員 この言論・出版の自由の問題につきましては、今国会では相当大きく取り上げた問題でございますから、しかも創価学会さん自身は会長さんのそういう御反省のコメントに対してでございますから、おそらく公明党さんや創価学会さん、まさかこんなことをおやりになることはないと思っておりましたにもかかわらず、会長自身の身辺に及びます発言に対しては、そういうような大幅なカットがなされるということは、何らかこの周囲にこびた人たちがいわゆる悪用するか、あるいはよそから手が入ってきたのではないかとしか思いようがないわけでございます。初めから局側におきましてそのようなことならばコメントを求めずにおけばいいのですね。だから報道の関係者に言わせますと、ここまで持ってくるのが精一ぱいであった、ずいぶん圧力があったんでございますよ、だけれどもこれだけカットすることによって放映することができましたと言わんばかりの口ぶりでございます。私は、こんなことがこれほど国会の中で大問題にされておりながら、いまなお続いているということはきわめて遺憾なことであり、御反省をなさったはずの創価学会や公明党さんにとってもたいへん御迷惑なことだと思うわけでございます。いかがでしょう。

○川島(一)政府委員 御質問の点ははなはだごもっともでございます。しかしながら、人権擁護の機関が事件を調査するというのは主として人権思想を啓発する、それによって当事者の間で円満な解決がはかられるということを目的としているわけでございます。刑事事件でございますと、責任を追及して、そして制裁を科するということが目的でございます。また民事訟訴でございますと、民事上の責任を追及して精神的あるいは物質的な損害を賠償してもらうということになるわけでございますが、人権擁護の機関が取り扱います場合には、そういった責任の追及であるとか、損害の賠償ということを直接にするものではないわけでございます。したがって、また御承知のように、人権擁護機関は、事件を調査するにつきまして強制力を与えられておりません。限られた法務局の職員がその調査に当たる、こういう仕組みになっております。

したがいまして、そういったいろいろの観点から考えまして、この事件は法務局として取り上げるのが妥当であるかどうかというような判断が、おのずからその中に入ってくるわけでございます。本件の場合につきましては、非常に大きな形で取り上げております問題でございますので、人権擁護機関といたしましては、情報収集という形で、現在までにあらわれましたいろいろな資料は集めております。しかし、これを積極的にこれ以上現在の段階でもって調査するということは、もう少し待ったほうがいいのではないか、こういう立場でおるわけでございます。

○塚本委員 私は具体的な事実でそう言っておるわけです。しかもその発言者が、私が発言しておりまするとき、ダブった部分がだいぶあります。したがって、時間等の関係でカットしなければならないときには、実はこのダブっておる部分をカットしてくださいよということまであとから電話をかけて、その報道担当者に連絡をとりました。そのとき報道担当者は、いや中身は実に小気味のいい発言でございまするから、しかも時間の点は心配はございませんというようなことを、放映前に、その場で終わったあとでわざわざ確認をとっておるわけでございます。にもかかわらず、タブっておる部分だけはダブって報道がされて、そうして池田会長さん自身の問題についてだけが大幅にカットされておる。したがって、そのカットされた部分だけ時間が短くなってしまったので、実はその時間は解説でもって穴埋めがされておる、こういう事実でございまするから、調べようと思わぬとおっしゃいますけれども、これは私がこの具体的な事実を発言者みずから直接にお聞きしました。そして局側にもそのことを確かめてみたわけでございます。したがって、一体どこがそのような報道の自由を力によって押し曲げたかということについて、実はきょうは時間がございませんから、御調査をいただき、後日でけっこうですから、しかるべき御回答がいただきたい、このことを御要望申し上げておきます。

○高橋委員長 塚本君に申し上げますが、郵政省の浜田業務課長が来ておりますので、その点について……。

○浜田説明員 お答え申し上げます。

途中から参りまして、質問の御要旨について若干あるいは十分理解をしていないかもしれませんので、その点につきまして一応御了解をお願いいたします。

放送における放送番組の編集の問題についての御質問かというふうに了解しておりますので、放送法の現在のたてまえというものを一応御説明申し上げたい、かように考えるわけでございます。

現在の放送法の目的によりましては「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」ということになっておりまして、この目的によりまして現在の法律ができておるわけでございます。したがいまして、この言論の自由というものを保障するために、現在の放送法といたしましては、第三条によりまして「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」という規定になっておりまして、現在この規定によりますと、いわゆる国家権力の介入ということにつきましては、言論の自由ということについて非常に強い保障があるわけでございます。したがって、現在の放送法でいきました場合に、放送番組の編集については、全責任が放送事業者にある、自由と同時に責任があるということでございまして、その編集にあたっては、四十四条の三項にございますような規定に即してやれというのが準則にございます。

なお、いわゆる行政庁といたしまして、資料請求につきましては、法の四十九条の二及び五十三条によるその準用規定によりまして、一般放送事業者に対する規定がございますが、この内容を具体的に規定をしております政令におきましては、放送番組ということについては資料の請求権がないというふうになっておるわけでございます。したがいまして、真実であるかどうかという問題につきましては、現在放送法第四条によりまして、いわゆる訂正放送の請求ができるという規定になっておるのが、現状の法制の姿であります。

○塚本委員 実は放送の中身は、そして番組等につきましては、もちろん政府がいわゆる監督権をみだりに使ってはならないことは当然だと思っております。しかし、一たん許可をしてしまったならば、その放送局自身が何をやろうとかってだというわけにいきません。電波監理局はそれに対する調査権さえもないというような考え方はおかしいと思うのですね。もちろんそのようなどこかからの圧力に対しては、はね返すべき第一義的な責任と権利は局側自身にあるとは思います。にもかかわらず、民間放送でありまする限りは、何らかの圧力がかかることもあり得ることだと想定されるわけです。そういうときに監督権を出してはいけないとか、あるいはまた資料の請求さえもできないなんというような、そんな無力な形ならば、自由自在、かって気ままということになってしまったら、一体日本の放送はどうなるのでございましょうか。私はそんな答弁自身は誠意のない答弁だと言わざるを得ません。これは人権擁護の立場から、いわゆる電波監理局で手が出せないとするならば、一体人権擁護の立場からどうしてこれを守るのか御回答いただきたい。

○川島(一)政府委員 放送内容が人権を尊重する上で好ましくないという場合に、人権擁護局としては必要な調査なり処置を考える、こういうことでございます。

○塚本委員 電波監理局では手が出せないそうですから、人権擁護局のほうで、具体的な事実につきましては私が申し上げた事実に間違いありませんから、一体どういうところからそのような圧力がかかったか、このことについて実は人権擁護局でお調べいただきたい。このことを強く要望申し上げて、次に進んでいきたいと思います。

実は四月十日、ことしのことでございます。夜会いたいとの連絡を受けた新宗教新聞の編集長清水雅人氏は、同夜七時半神楽坂の喜楽久、これは料理屋さんです。そこで創価学会池田大作会長の使いと称する自民党系評論家T氏と会った際、池田会長はあの記事を読んでかんかんになっとるぞと実は清水氏に話したそうでございます。あの記事というのは、実はここに週刊新潮がありまするが、話は要するに池田会長に対する女性関係の記事が週刊新潮四月十八日号に載っております。そして彼、清水氏の談として掲載されているそのことについて、わび状を入れてきちんとあやまれば今度のことは許す、わびれば今後宗教評論家として大成するよう先々までめんどうを見るというような記事が、実は週刊読売に出ておるわけでございます。そこで池田会長の使いと称するT氏、これは名前を明かさぬでおきまするが、週刊新潮に載った記事の談話が、実はそういわれた清水氏のものでないことは承知しているが、この週刊新潮を読んだ限りでは君が言ったことになっておる、学会の中にはばかなやつもいるから、この際わび状を書いたほうがよい、もし書かないと、新宗連や立正佼成会、PL教団等との宗教戦争になるぞと背後関係への影響をほのめかしております。当人が組織人だからといって、その母体である新宗連という宗教団体に飛び火をさせれば、当人は困るにきまっております。しかもその評論家は、実は君が言ったことじゃないということはわかっておる、こういうことを承知しながら、こういうことを談じておることが載っておるではございませんか。無関係であることを承知しながら、池田会長の記事を取り消させるために、実は関係のない清水氏におどしをかけるというようなことは脅迫になるではございませんか。その事実を知らなければともかくとして、事実を知っておりながら――この記事が真実であるかどうか、私は知りません。およそこんなばかげたごとはないんじゃないかと私は想像いたしております。しかしながら、その記事をしゃべった人が清水氏じゃないということを知っておりながら、池田会長の使いだといって、有名な評論家でございます、かつては自民党から立候補なさったこともあるこの方が、実はわざわざ清水氏に、自白をしてわび状を書くなら宗教評論家として将来めんどうを見る、こういうふうなあいさつでございます。わび状を書かなければばかなやつもおるなんというようなことで、そうした何か脅迫じみた発言をして、わび状を公表させよう、こういう発言がなされておるわけでございます。この週刊読売にもそのことが書いてございますが、一体こういう事実は脅迫に当たるのではございませんか。どうでしょう。

○前田説明員 お尋ねの件につきましては、ただいまの御質問だけでは事実関係が必ずしも明らかでございませんので、直ちに犯罪になるかどうかということはお答えいたしかねます。

○塚本委員 私は、どういう質問でございましょうかと言われて――すでに三回これをストップかけられて今日まで来たわけでございまするが、その間におたくのほうから質問の内容はとおっしゃったから、この本に出ているとおりでございますから調べてごらんなさいと実は申し上げておるはずです。何も私は実は包み隠しておったわけではないわけでございます。にもかかわらず、調べてみなければわかりませんというようなごあいさつはないと思うのです。この記事だけじゃないんですよ。私は本人にも丹念に調べておるのです。私は名前まで申し上げましょう。戸川猪佐武という評論家でございます。ここまで申し上げたら、何かあなたのほうから回答が出てくるはずでしょう。(発言する者あり)

○高橋委員長 お静かに願います。

○前田説明員 塚本委員から週刊新潮あるいは週刊読売の記事について御質問があるということは承っておるわけでございまして、そのことを知らないと申し上げたわけではないわけでございます。その具体的な事件がはたして犯罪になるかどうかということは、やはり権限のある捜査当局が十分調べなければ確実なことは申し上げかねる、こういうことを申し上げたわけでございます。

○塚本委員 あなたのほうから、その事実に対して清水氏のほうから創価学会に対して告訴をなさいますかという質問まで私のところに来たわけです。しかし、彼が言うには、こちらのほうから告訴するというよりも創価学会自身から告訴するという内容証明つきの手紙が届いておりますから、こちらがしなくても向こうがするのをお待ち申し上げておる、このことまで申し上げたはずでございます。それを、調べてみなければわからぬということではおかしいじゃありませんか。刑法第二百二十三条「生命、身体、自由、名誉若クハ財産ニ対シ害ヲ加フ可キコトヲ以テ脅迫シ又は暴行ヲ用ヒ人ヲシテ義務ナキ事ヲ」いいですか、この人は関係ないのですから。「人ヲシテ義務ナキ事ヲ行ハシメ又ハ行フ可キ権利ヲ妨害シタル者ハ三年以下ノ懲役二処ス」と定められているとおりでございます。いかがでしょう。

○前田説明員 ただいま先生おっしゃいましたとおり、いまお読み上げになりましたような要件に当たる場合には当然それ相応の犯罪になる、こういうことでございます。

○塚本委員 それでは事実を調べてみてください。もちろん片っ方から告訴するといってみえるけれども、いまだになされておりませんから、事を穏便になさるような腹であるかもしれませんけれども、私は重大なことだと思うのです。しかも、ばかなやつらがたくさんいるからということは一体どういうことでございましょうか。このことはかっての藤原弘達と田中幹事長とのやりとりのときと同じパターンになっておる。彼は言っております。私は小物だからお使いのいわゆる人物がちょっと小さかっただけでございます、こういう言い方までここに載っておるはずでございませんか。

実はこれほど国会で大きな問題になっておりながらいまだにこういう事件が続いておるということです。いわゆるこの事態というものをうやむやに過ごしてしまっては――かつての予算委員会におきまして、総理はおっしゃいました。もうわかったじゃないかというような御発言をなさっておいでになったわけです。しかしながらそれが、こういうふうな憲法に反したときにはこうなるのだぞという具体的な事例を具体的に一つも処理をなされないものだから、わかったわかったでもって、心理的なものだけで今日までうやむやに来てしまったではございませんか。かつて私が予算委員会で発言をいたしました以後、私はこんなひどい目にあいましたという投書が全国からたくさん参りました。しかし、わかったじゃないかという総理の御発言等がございましたので、私は事態を推移してまいりました。ところが、いま申し上げたような事件というものが、公になっておるだけでも二つ出てきておるという状態です。だから、私のところへ全国の皆さま方から、国会は一体何をやっておるんだ、このままでうやむやに過ごすとはげしからぬではないかといって、かえって、事態を取り上げた私ども議員のところに、なじるような発言がたくさんきておるわけでございます。

私はそのこと自身よりも、いまだにこういう事件が、しかも著名なる評論家によって――おそらく私が想像するところでは、池田会長さんがあれほどの発言をなさっておいでになり、公明党さんもずいぶん御迷惑を受けたような感じを持っておいでになる。だから、まさかこういうところからはなされぬであろうと私は思っておりまするけれども、こういうときに著名な戸川さんというような評論家が堂々とお出になって、しかも池田会長の使いとしてああいう発言をなさるということは、私はきわめて不純な発言だといわざるを得ないと思うわけでございます。断固とした処置をなさる必要があると思いますが、どうでしょうか。

○前田説明員 申し上げるまでもないことでございますが、犯罪があった場合には、検察当局といたしましても、その立場におきまして厳正な処理をすべ費ものだ、かように考えております。

○塚本委員 それじゃこれはどうするのですか。本人が告訴をするのですか。人権侵害その他脅迫等の犯罪というものは、本人が告訴しなくても、耳にしたときにはあなたのほうから自発的に調査に乗り出すということがたてまえになっておりませんか。どうでしょう。

○前田説明員 たとえば脅迫でありますとかそういう場合には、必ずしも親告罪でないわけでございますから、被害者のほうからいわゆる告訴がなくても、犯罪の捜査をすることは可能でございます。

○塚本委員 御調査いただきたい。私もその調査にもできるだけ協力をさせていただくつもりでございます。

四月十日にそのように直接言って、あくる日の十一日の午前中に返事をしてくれという、その確認まで実はとられたわけでございます。しかし彼も、ばかなやつらもあとにたくさんおると言われると、身辺に対する危険、あるいはそこまではいかなくっても、自分がつとめておる背後団体への影響を考えるとき、彼も進退に対して腹をきめざるを得なかったでございましょう。したがって、所属団体の責任者に相談をいたしまして、彼の上長から戸川氏に対して電話で断わりました。そんなばかなことができるかということで断わった。十一日に断わりますると、翌十二日に、今度は十二日付で正式に創価学会理事長和泉氏の名義でもって内容証明つきの手紙が発せられております。だから、これは戸川氏の個人的独断ではなくして、創価学会理事長の名前で同じ中身のものが発せられておりまするから、実は創価学会さん自身もそういうような意思を持って戸川氏に使いを出されたと受け取るのが順当ではなかろうかと思うわけでございます。

そういうふうな手紙が発せられておりまする反面、今度はまた人がかわって、これは相当に重要な人物の名前でございまするから、私はF氏と言っておきましょう。名前はここでは明らかにすることを控えまするが、宗教関係の大立て者でございます。F氏が直接背後団体の新宗連に連絡をいたしまして、同じようなことで清水氏に対してわび状を書けという要求が再びなされてきております。二重にわたって――戸川氏が直接に来て、片方においては、わび状を出すならば実は一生涯めんどうを見るという、いわゆる利益誘導のような形でにせのわび状を書かせようとし、片一方においては逆に、いろいろばかなやつらも一おるから、書かなければというような何か薄気味悪い発言をしております。そうして、そのあくる日断わりますと、直接学会の和泉理事長から、わび状を書かなければ告訴するという内容証明つきの手紙が実は本人のもとに寄せられております。ところが、これは実はいまだ告訴されておりません。自分が告訴するよりも、向こうから告訴をするという手紙が来ておりますから、そのままお待ちしておるという状態でございます。そうしてさらに続いて、いま申し上げた著名な、実は宗教に関係するところの自民党系の人、これもはっきり申し上げておきましょう。これはF氏であります。新宗連に対してこの人も同じようなことを言って、今度の場合は北條副会長に頼まれたと、この方は言明なさっておるわけでございます。今後こんなばかなことを続けておって、はたしてほんとうに言論・出版の自由がいつまでたったら守れるのでございましょうか。

私は、この週刊新潮における池田会長さんのこんな記事は、言ってみれば不見識だと思います。中身を読んでみれば、何にも事実がないようなことでありますから、この週刊新潮に書かれた中身自身については、書くほうがどうかしているというふうに私は判断しております。しかし、それを発言者の名を伏して清水氏の名前をわざわざ出したこと。そしてその清水氏に対して、にせのわび状を書かせるなんというのは、そこまでやらなければならぬということ自身、おかしいではございませんか。いわれなき記事を書かれた池田会長先生はたいへんお気の毒だと思います。しかし、だからといってそれを隠すために、関係なき第三者に対してこんなことをするというようなことは、私は全く不可解だと思います。しかし、その不可解とともに、かつての藤原弘達対田中幹事長と同じパターンがここでも述べられておるという状態、あれは昨年の暮れのことでございました、四月の十日から始まって同じようなことが繰り返されているというような事態ではございませんか。だから、いまこそ本気になって御調査いただいて、そうしてもし会長さんがそんなばかなことをおやりにならぬと思ったならば、そういうものを利用して発言せんとする諸君に対して厳とした態度をおとりになって、この際は憲法第二十一条の条章を厳に守るの決意を法務省は発せられることが必要ではないかと思いますが、どうでしょうか。

○前田説明員 いろいろ具体的な内容のお話がございましたので、本日の御質問の内容は検察庁のほうにも十分連絡をいたしたいと思います。

○塚本委員 時間があと五分しかないようでございますから、私はこれ以上のことを強く言いません。大臣がおいでになりませんが、次官とくとお考えいただきまして、ここまで私ははっきりと申し上げておきますから、それに対して善処をしていただきたい。

最後に、実はこういうことが私のところに届けられております。文化庁来ておいでになりますか。――四月二十六日、創価学会員良識派、日蓮正宗純正派大会において声明書が出されております。その中で次のごとき文がありますので、お尋ねするわけであります。

「昭和四十年、創価学会が正本堂建立に名を借りて行った」――これはこの声明書の中の抜粋したものだから、私はお聞きしたいと思って聞くわけでありますが、「正本堂建立に名を借りて行った非道な資金集めは、」これは自分たちがそういうふうに受け取っておるのですが、「信心という大義名分により創価学会員の心理を、甚だしい錯誤におとしいれながら、遂行されたもので、創価学会負の自由意志を拘束し、強制的にむしりとったといっても過言ではないもので、正当な寄金とは言い難いものがあります。」「このことは、宗教法人法第十一条の規定に基づき、当然のことながら、創価学会員に与えた過大な損害は、これを創価学会が損害賠償しなければならない責を負うものであります。」云々と書いて、最後に「私達創価学会員は連署をもって、正本堂御供養金の返還を請求すると共に、宗教法人法第八十一条の規定に基づき、利害関係人として、宗教法人創価学会の解散を請求致します。」これは自分たちのかってな言い分でございます。

そこで、そういう意味のことを連綿と書いて私のところに届けられてきておりますが、この文の中にある「御供養金」というものですね。おれたちは錯誤におとしいれられて出したんだが、返してもらいたい。こんなこと、私は聞いたことがございません。しかもおれたちはそういう運動をこれから続けたいのだというようなことを言っておりますが、この宗教の中における「御供養金」というのは一体どういう性格のものでございましょうか。はたして法的に、そんなことを言ったっておまえたちはそのときには出したのじゃないかというふうにも受け取れるわけでございますが、一体この法的根拠というものはどういうものか、お伺いしたいと思います。

○吉里説明員 御存じのように、宗教というものは非常に定義がむずかしゅうございます。ただし、私ども文化庁、宗務行政を担当する立場の者といたしましては、法人法のたてまえを貫きまして、宗教業務を主たる目的とする宗教団体に法人格の認証をいたしております。したがいまして、その宗教団体ないし宗教法人と信者との関係は、まさに私どもの宗教法人法の行政の外にあろうと思います。しかしながら、この認証されました宗教法人が信者の全般的な信頼を得まして、その教義を布教するということは、当然のことだと思っております。

ただいま先生が述べられました声明書そのものは、実は私読んでおりません。したがいまして、何とも答えようがございませんけれども、私のほうの行政の立場からいいますと、そのような信頼関係がなくなるということは、私どもが認証いたしております宗教法人としまして、自粛自戒をやはりすべきであろうと思っております。ただし、これが事実とすればということでございます。

○塚本委員 実はこの人たちも、最初総会で三十数億の募金がきめられた。ところが、実際には約十倍の金が集められております。そこで総会できめられた目的の金額以外は余分に集められたものであるから、あらためてそれを取り戻してもらうという主張は通るのではないか、こういうような意見を――私はああいうものが届けられたから、会って聞いてみたら、われわれも喜んでそのときにはそういうふうにしたのです。ところが、実際にはいろいろな意見が出てきた。幹部の人たちが言うから心理的に出さざるを得ないような、だれだれさんは家屋敷を売ったのでございます、だからわれわれは質屋に行ってでも出さなければならないのでございますと幹部が言うものですから、実は私たちはやったのです。これは一部の諸君ですけれども、そういうような意見です。それでも出した以上は、きめられた三十数億はいいでしょう。しかし、余分の金は、しかも見るところ、不動産会社をはじめとする、どうも横にいっておるような気がするという、彼らのいわゆるけしからぬ想像等も交えて、余分なものだけは返してもらいたいというような発言をしておるわけです。

そこで最後に、池田大作会長も、信心なき者からは受け取らないという言明をなさっておいでになるようでございます。この人たちは、いまや私たちは信心というものは消えておる、だから、あのときにきめられたものは出しましょう。しかし、余分なものは返していただく必要があるのではございませんかbあなた幾らでしょう、金額は申し上げませんが、そういう人たちに聞いてみたら、私は何十万、私は何十万、こういうような金額を実は出して見えるわけです。そのときは強奪でも何でもないでしょう。いまになってはいろいろなことを言われます。だから私は、それはちょっとひきょうな言い分だという気がいたすわけでございます。にもかかわらず、きめられた十倍以上の金が集められておる。そこでいま会長さんのおっしゃるように、信心なき者からは受け取らぬと言っておるのですから、われわれは信仰心は消えておるから、余分なものは返還運動をして返してもらいたいと思いますが、いかがでしょうかというお尋ね、私もちょっとそれはどうか、いまだ聞いたことがないのでございますから、法的にこれが可能であるかどうかということについてお尋ねいたしたいと思います。

○吉里説明員 法的にという御質問でございますので、その限りにおいてお答えいたしますが、私どもの立場でそれが法的に可能であるかどうかという問題は、私は言えないのじゃないかと思っております。もっと私的な見解を述べれば、これはまた別でございますけれども、行政の立場からいいますと、やはり約束で、信頼関係、信者としてそのとき出しておるわけでございますから、そのあとの事情の変更等によるいろいろな問題は、やはりその宗教法人とそれらの方々でお話し合いをいたすというのが筋であろうと思います。

○塚本委員 最後に、それではその諸君と宗教法人とが自主的に話し合うということでなければ解決できないということで、第三者の介入する余地はない、こういうふうに受け取ってようございますか。

○吉里説明員 文化庁の立場として申し上げますと、宗教法人法による私どもの行政に対する責任というのは非常に限界がございます。いろいろなことで、あるいは行政の立場で、もっとやったほうがよかろうという御意見もありましょうし、あるいはもっと規制をすべきではないかという御意見もあろうかと思います。しかし、憲法の信教の自由あるいは政教の分離という原則を踏まえた現在の法人法のたてまえというものは、やはりそれはそれなりに私どもへの責任を課しておると思っておりますから、それ以上の権限を行使するわけにはいかぬと思っております。

○塚本委員 時間が来ましたから、終わります。

○高橋委員長 松本善明君。

○松本(善)委員 今国会におきましては、創価学会、公明党の言論妨害問題が非常に大きな問題になっております。国会も終わりに近づいておりますので、総括的に法務省に若干の質問をしたいと思います。

五月の三日に、創価学会の池田会長が、この問題については言論妨害という意図は全くなかったけれども、結果として言論妨害と受け取られ、関係者の方々に圧力と感じさせ、世間に迷惑をかけたことはまことに申しわけないという趣旨の講演をされました。私どもは、しかしこれですべての問題が解決をしてしまったというふうには考えていないわけであります。いま塚本委員の御質問にもありましたように、その後においても問題が起こっております。そういう点を考えますと、この問題について言論の自由をほんとうに守るという観点で、はたして法務省はその職責を果たしてきたかどうか。国会でこれだけ大きな問題になっておる問題について、一体法務省は何をしたかということの問題を明らかにする必要があると思います。今後の問題としても、個々の一つ一つの責任のある問題について、個別に問題が明らかにされていく必要があると私どもは思うわけであります。

そういう点で伺いたいのでありますが、法務大臣は当委員会において、いやしくも犯罪や人権侵害という問題があるならば、これはきびしく対処をするという趣旨のことを言われました。その旨の庁内訓示もされたということを国会で御報告になっております。それでお聞きしたいのでありますが、国会でも盛んに問題になりました藤原弘達氏の「創価学会を斬る」の場合、それから内藤国夫氏の「公明党の素顔」の場合、それから植村左内氏の「これが創価学会だ」の場合、それから福島泰照氏の「日蓮正宗 創価学会・公明党の破滅」「現代のさまよえる魂」「創価学会・公明党の解明」の三冊の著書の場合、それぞれについて、一体人権擁護局はどういう事態だというふうに把握をしておるかということについて説明をしていただきたいと思います。

○川島(一)政府委員 ただいま御質問になりました点にべきましては、前にも当委員会でお答えを申し上げたと存じますが、人権擁護局といたしましては、これらの事件が人権にかかわる問題であるという意味におきまして、情報の収集をいたしておる、こういうことでございます。

○松本(善)委員 そうすると、情報の収集はしておるけれども、この問題についての一定の見解というものについては、持っていないということのように受け取れますけれども、犯罪に至らない場合であっても、言論妨害、人権侵害ということであるならば、当然に人権擁護局が動かなければならない。そういうものであるにもかかわらず、現在まではそういうところまでは考えていない、前のとおりである、こういう答弁と伺ってよろしいですか、時間がありませんから、簡明に……。

○川島(一)政府委員 先ほども塚本委員の御質問に対してお答えいたしたわけでございますが、人権擁護機関として取り扱うことが適当であるかどうかということは、現在の段階では必ずしも自信がございませんので、いましばらく情報の収集にとどめて今後の推移を見たいということでございます。

○松本(善)委員 私はそのような人権擁護局の態度は、ほんとうに言論の自由を守っていく、人権を守っていくという態度としてはきわめて遺憾であるというふうに考えます。

委員長に伺いたいのでありますが、この点については委員会におきまして、人権擁護局がやっていない、国会で証人を喚問してやるべきだということを民社党、それから社会党、共産党のそれぞれから要求をいたしましたこの問題については、理事会ではかって対処をするということを言われましたけれども、一体、委員長はこの段階に立って、この問題についてはどういうふうにやられるつもりであるか、お考えを伺いたいと思います。

○高橋委員長 だいぶ御反対の意見もあるようですから、それでやはり御承知のように、理事会はなるべく満場一致でやりたいと思うので、なおひとつ討議を継続させてもらって、そして最もいい結論を出したいと思います。

○松本(善)委員 私はどうしても、この問題は昭和三十一年に立正交成会が問題になったときには、非常に多数の参考人を呼んで詳細に調べております。そして法務委員会の決議までできております。そのことと今回の場合を比べました場合に、まことに違った扱いになっておる。これは国会の権威という点から見ましても、非常に遺憾なことであると思います。これは委員長が言われるように、妥当な結論が出るように、さらに努力をしたいというように思います。

検察庁のこの問題についての対処の問題について伺いますが、検察庁は宗教法人法第八十一条で宗教団体の解散権発動の権限を公益の代表として持っております。この調査についてはどういう機構で対処をするということになっておりますか。

○前田説明員 松本委員御指摘の宗教法人法第八十一条に宗教法人の解散の規定がございますが、この解散の請求は、文化庁のみならず、所轄庁、利害関係人、さらに検察庁、こういうふうに規定をされておるわけでございます。その趣旨からいたしまして、当然その宗教法人につきまして監督権を持っておられる所轄庁、具体的な案件につきまして利害関係を有する方が解散請求権を持っておるわけでございますが、検察官にも与えられておりますことにつきまして考えてみますと、検察官におきましては、一般の職務の遂行、すなわち刑事事件の捜査、処理を通じまして……(松本(善)委員「簡単に」と呼ぶ)宗教法人が法令に違反して著しく公共の福祉を害するというようなことが比較的わかりやすいという立場にあるために、そういう権限も与えられておるというように考えておりますので、検察庁が、との八十一条の関係ではそういう刑事事件、一般の本来の職務の遂行の過程において、そういうことがわかりました場合において動くというふうに考えております。

○松本(善)委員 これは単に思いつきで質問をしておるのではありません。法務委員会の決議ができておるのであります。昭和三十一年六月三日に、この問題が立正交成会の問題として論議をされたときに、検察庁はこう答弁している。人手不足だから、宗教法人法八十一条に関することの組織をつくることはできないのだ、こう答えている。そうして委員会審議の中では、しかし今後は特殊の係を設けて体系的に処理するようにしたいということを検討するということを述べておる。そうしてその審議が終わったあとの法務委員会の決議では、「不正なる宗教活動に対する決議」によりますと、「公益代表者にして、宗教法人の解散請求権をもつ検察庁は、宗教法人調査につき適宜の措置を講ずべきである。」という決議をされておるのです。もしこの決議の趣旨が尊重されておるならば、検察庁の中に当然機構ができていなければならないはず、それができていないということでありますか。

○前田説明員 ただいま御質問のような特別の機構というものは、現在のところ設けておりません。

○松本(善)委員 私は、きわめて遺憾なことであると思います。法務省は、人権擁護局にしても、それから検察庁にしても、その職責を決して果たしていない。これは当法務委員会において厳重にさらに論議を続けるべきであるというふうに考えます。

内容について少し伺いたいと思います。先ほど申しました池田会長の講演によりますと、創価学会と公明党は政教分離の方向をとるということを言われました。それが今後どのように行なわれるかというのが問題でありますけれども、私どもはこの八十一条との関係で検察庁の見解を明確にしておく必要があると思います。

宗教団体が、宗教の教義を広め、儀式行事を行ない、及び信者を教化育成することにとどまらず、教義そのものが、政治進出を正当化し、布教活動が政党活動と一体化している、いわゆる宗教団体と政党が一体不二の関係になっている場合に、宗教法人法第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為というふうに私は考えますけれども、この点についての法律解釈を伺いたいと思います。

○吉里説明員 私に対する御質問かどうかわかりませんけれども、宗教法人を担当いたしております立場としてお答えをいたします。

宗教法人でございましても、政治活動の自由その他は個人の場合と同様に持っておると思います。したがいまして、その団体がどのような政治的信条を持って活動しても、これはいたし方ないことではなかろうかと思います。ただ、憲法が禁止しておりますことは、国の国権行使の立場で、特定の宗教団体に特権を与えたりしてはいけないということを規定してございます。

○松本(善)委員 聞いていることに答えてもらわないと困る。これは検察庁も見解をはっきりさせなければならぬと思います。

さらに明確にしてお聞きしますが、わが党の谷口善太郎議員が提出いたしました宗教団体の政治活動に関する質問に対して、政府は、選挙活動をその主要な活動とすることは、宗教法人法第二条の規定に照らし、許されないということを答えました。選挙活動にとどまらず、政治活動をその主要な活動とするときに、宗教活動と一体のものとして政治活動をその主要な活動とするときに同様と考えるのは当然だと思うわけですけれども、政治活動を主要な目的とする場合に、これは宗教法人法第二条に違反をするかどうか、この点について検察庁と文部省の見解を、結論だけでけっこうですから伺いたいと思います。

○吉里説明員 宗教法人は主たる目的が宗教活動でございますから、宗教法人である限り、その活動のすべてが政治活動になった場合は当然二条から違反すると思っております。ただ、その認定の問題があると思っております。

○松本(善)委員 検察庁、法務省は同様ですか。

○前田説明員 ただいま文部省からお答えになったと同様に考えております。

○松本(善)委員 そうすると、完全に一体になって政治活動が主たる目的というふうになった場合には、これは宗教法人法の二条に違反する、こういうことですね。

○吉里説明員 いまの御質問にちょっとことばが足りなかったようです。

宗教団体としての活動が、そのすべてが政治活動にわたるようなこと、要するに二条の主たる目的がすりかわってしまうというようなことはいけない、こう申したわけでございまして、団体の性格その他からよく考えてみなければいかぬと思っております。

○松本(善)委員 それではその点について、今後さらに法務省それから文部省においても、その職責をきちっと果たしてもらいたいというふうに思います。

それから、この問題については、政教分離の問題につきましても、法務委員会で担当すべき非常に重要な課題であります。先ほども言論妨害問題については委員長に伺いましたけれども、この点について委員長に対処のしかたを伺いたいと思います。

○高橋委員長 なかなかむずかしい問題ですが、三十一年にいま読まれたような決議があるといたしますならば、法務委員会としては、この問題は熱心に慎重に検討しなければいけないというふうに思います。

○松本(善)委員 ちょっと別の問題を、わずかな時間ですがお聞きしたいと思います。

検察庁に、昭和四十四年三月十七日の衆議院決算委員会で問題になりました九頭竜川電源開発に関する元福井県知事らに対する告発事件の問題を伺いたいと思います。このときには、鋭意捜査中というふうに言われておりますけれども、この点はいまどうなっておるか。

全部質問を言ってしまいますからまとめて答えていただきたい。

そうして当日の委員会で、石井電発理事は、三面、小谷堂両部落の移転協力費として三千万円余を県に上納したというふうに述べていますけれども、これらの部落に対する移転補償費は、福井県の佐々木五平という人が県庁へ行って調べたところによりますと、福井県の一般財源から二千三百五十万円、和泉村負担金から三百万円、電発からは一千五百万円、合計四千百五十万円というふうに調査の結果がなっております。

自治省はこのことについて、当日の決算委員会で、調べた上でお答えするということを野田自治大臣が答えておられるが、一体電発から県に上納された金は幾らで、補償費として支払われたものは幾らか、その内容を知りたいわけであります。

この点については、検察庁の調査の実情と、それから自治省で調べましたこの金の授受の関係、これは両方お答えいただきたいと思います。

○前田説明員 御質問の九頭竜川関係の事件につきましては、検察庁が告発を受けた事件が、松本先生御承知かと思いますが、二件ございます。

その一件は、元福井県知事が九頭竜川の電源開発にあたりまして収賄をしたという趣旨の告発でございますが、その件は、四十二年の十一月三十日に、その事実は認められないということで不起訴処分に付されております。

また第二の事件は、やはり元知事外二名、合計三名でございますが、本件の九頭竜川の電源開発に際しまして、文書偽造あるいは証憑隠滅をしたという趣旨の告発でございます。その件につきましても、福井地検におきまして鋭意捜査いたしました結果、昭和四十四年四月二十二日に、やはり告発にかかわるような事実は認められないということで不起訴処分になっております。

○佐々木説明員 九頭竜川のダムの開発に関連いたしまして、当時福井県は資材輸送道路等、電発のための公共事業として七億五千三百万円の負担をしておりました。問題の三面、小谷堂部落の移転促進にも県費を支出する必要がありましたので、公共事業に対する受益者負担金として三千万円、両部落の移転のために千五百万円を電源開発株式会社に負担するように申し入れました。同社はそれを了承しておられるわけであります。また和泉村も移転促進のため三百万円を負担をすることになりまして、これを県に納入することとしたわけであります。したがいまして、県としましては、昭和四十年の十二月の補正予算におきまして、次のとおり歳入歳出の予算を計上いたしております。

歳入といたしましては、款は諸収入、項は雑人でございます。それで九頭竜川電源開発促進負担金、これは公共事業の受益者負担でございますが、これが三千万円和泉村の対策費としまして千八百万円。それから歳出といたしまして、移転促進経費としましては、款は総務費、項は市町村振興費、目は自治振興費、節は補償、補てん及び賠償金四千百五十万円。この予算措置に基づきまして、電源開発株式会社から公共事業の受益者負担の三千万円は昭和四十一年三月二十九日に三千万円、それから移転促進の負担金につきましては、三月二十六日に千五百万円を県に納入いたしております。和泉村も三月二十六日に三百万円を県に納入したのであります。両部落に対しましては、四十年の十二月八日に知事と和泉村長及び両部落の代表の三者で協定を結びまして、県は、二十三戸に対し一戸当たり約百八十万円、合計で四千百四十九万九千九百八十一円を移転促進のために交付することといたしました。両部落は四十二年十二月末までに移転することを約束したわけであります。この約束に基づいて四十年の十二月に予算が計上されたわけであります。

なお、現金交付につきましては、両部落民が和泉村長に委任状を渡しまして、四十一年二月二十八日に八割、残余の二割は移住完了のとき和泉村長から交付することとなっておりまして、それぞれ実行されたわけであります。

なお、和泉村長に対しましては、県は残余の二割分は二月二十八日に和泉村長に交付いたしております。

以上でございます。

○松本(善)委員 時間の関係もありますので、きょうはこの程度で終わりたいと思います。

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