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063回-参-予算委員会-09号 1970/03/27

○鈴木強君 特にことしは万博もありまして、相当に外国からの飛行機が乗り入れてくると思いますから、ぜひひとつ絶対に事故の起こらないように万全の対策を立てていただきたいと思います。

次に、言論・出版の問題について総理に若干の質問をしたいと思います。

公明党、創価学会が言論・出版の自由を妨害したのではないか、こういう問題は御承知のように、衆議院の予算委員会を中心にして激しく論議がかわされたのでありますが、われわれ国民は、事柄が憲法第二十一条に規定されております言論・出版の自由の保障という基本的権利にかかる問題でありますだけに、きわめて重大な関心を持って論議の成り行きを見守ってまいりました。と同時に、国会の論議を通じてこの問題の真相が究明され、そのことが国民の前に明らかになって、今後再びこのような論争が国会の中で行なわれないようにと、こう私は願っておったと思うのでございます。しかしながら、残念なことに、国民が最も期待をしておりましたこの真相究明のための国会の中での論議ということが正規の場で行なわれなかったために、今日もいろいろとこの問題については疑義を持ってると思います。まことに私は遺憾にたえません。そして、この国会の運営そのものに対しても国民はかなりの疑問をまた深めてると思うのでございます。衆議院では、真相究明のために必要な証人、参考人の要求をめぐって意見が対立をいたしました。そのために最後まで調整がつかなくて、社会党、民社党、共産党の有志議員による、言論出版妨害真相究明の議員集会が開かれました。そうして、そこには藤原弘達氏外数人の参考人の意見開陳が行なわれたのであります。この集会における参考人の意見は、新聞、ラジオ、テレビ等を通じて大きく取り上げられております。その関係で、事実関係というものは国民の中に、この限りにおいては知らされてると私は思うのでございます。こういう報道が大々的に行なわれましたあと、国民の多くの人たちが、あれだけの事実関係が議員集会によって明らかになった以上は、なぜ自民党も公明党さんも国会の場所で堂々とこれに反論しないだろうか、こういう考え方を強くしてると私は思うのでございます。多くの新聞が一斉に社説でこの問題を取り上げたことも総理大臣御承知のとおりでございます。私は、このような言論・出版妨害の疑いがあるかないかという、この重大な問題が国会の論議を通じて明らかになっておりませんことは、前にも申し上げましたように返す返す残念に思います。したがって、参議院におきましては、参議院の良識によって冷静な態度でこの問題を取り上げ、そして言論・出版の自由の確保をはかるために優秀な結論を出さなければならないと私は思うのでございます。

そこで一つ二つ、自民党の総裁であり、内閣の最高責任者である佐藤総理大臣にお尋ねをいたします。

その一つは、「創価学会を斬る」の著者藤原弘達氏と田中自民党幹事長の二回にわたる会談についてでございますが、この会談が行なわれたことは田中幹事長もお認めになっておるようであります。田中さんは、要らぬおせっかいをした、こう言っておられますが、議員集会における藤原氏の発言内容を見ますと、おせっかいをしたというようななまやさしいものではないと私は思います。したがって、田中さんは少なくとも自民党の幹事長でありますから、かりに個人田中としてこの会談に出席されたといたしましても、与える影響は非常に大きいものがあると私は思います。

そこで、総理大臣は、田中さんが藤原さんとお会いになることについて事前に知っておったかどうかということが一つです。もし知っておらなかったとするならば、こういう会談が持たれたことに対して総理としてはまずいと思いますか、どうですか。そういう上に立って総理としてのき然たる言論・報道・出版の自由を守るというお考え方をこの際明らかにしていただきたい。

○国務大臣(佐藤榮作君) 本国会では、衆参両院とも言論の自由、そういうものに対する圧迫と、こういうことが論議されております。また衆議院においては、ただいまも言われるように、特別な集会が持たれて、そうして証人に当時の模様を聞く、そういう態度をとられました。また、私この前、二宮君のお話を聞きながらも、二宮君が、やはり公明党の黒柳君自身が、どういうわけであんな発言をするかというようないろいろ怪電話がかかった、こういうような話も聞いております。もともと言論の府というか、国会というところは、とにかく自由な言論、これを展開することによって国民の真の政治意識、それに沿うところだと、かように私は思っております、したがって、国会における発言などはまあどういうことがあろうとも、政府もそういう意味ではこれこそほんとうに言論の自由を保障されていると。したがって、皆さん方も御承知のように、議員の発言は責任を間うというようなものではないとまで言われておる。しかし、その発言すらいろいろな圧迫を受けるような状態にただいまなっておる。こういうような事柄は、とにかく、一般世相としてこれは正さなければならないことだと、かように私は思います。これは与野党を問わず、政府といわず、これは当然だと思います。ところで、憲法二十条は、主として政府がこういうものに関与する……。言論の自由を保障するという、そういう立場に立つべきだということでございまして、個人間の場合だとやはり個人的な救済方法もあるのではないかと、かように思います。私はそういう意味でそれらの点は一応了承されるのじゃないだろうか。ことに議員集会の結果等がマスコミに報道ざれた。この報道がまちまちでありまして、ある程度、ある社によっては事前に計画されたメモ自身が記事そのものになっておる、こういうようなこともありますから、これもあの新聞の記事自身も国民にどういうように映り、どういうような批判を受けるか、これはまた別でございますけれども、少なくとも言論圧迫、言論の自由が抑圧された、こういう事実についての国民の関心は非常に高まったと、かように私は思っております。またそうして、そういうことこそ国民が良識をもってやはり判断し、批判するだろう、かように私は思っております。

ところで、お尋ねになりました田中幹事長の話でありますが、私には、事前にさような相談はもちろんございません。もし事前にさような話があれば、私がどういうような処置をとったか、あるいはよけいなおせっかいをするな、かように言ったかもわかりません。またしかし、私自身が場合によると、いやあ自分もずいぶん悪口を書かれ、マスコミでは迷惑もしているから、それはやっぱり事実に合ったことを、それが正確に報道されるなら、そのとおりであってしかるべきだろうけれども、曲げて、事実が報道されないなら、これはやっぱり、それらの点を知人であるから、君からも注意することは適当だと、かように申すかもわからない。だから、私は、事実その当時の模様を知りませんから、事前の相談がなかったということだけでもうよろしいのかと思いますが、一言よけいなことを申せば、そのときに、はたして田中君の行動をとめるか、あるいは、君はそこまで知っているんだから、よけいなことではあるが、とにかく正しい事実、それはやっぱり報道することが必要だろうが、しかし、それらのことについて十分考えるべきだと、こういうような注意はしたかもわかりません。したがって、私は、過去の事柄でありますので――仮定の事実についてはいろいろ相談されましても、とやかくの批判は、これはもう当然受けるべき事柄だと思っていま発言をしておるのでありますが、はっきり申し上げれば、事前には相談はなかったと、それだけははっきり申し上げておきます。

○鈴木強君 いま首相が二十条のことをおっしゃったのですが、これは信教の自由の点でありまして、この二十一条の「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」ということは、何か総理は、政府が二十条についてはやるのであって、個人的には何か幅があるだろうというようなことをおっしゃったのですけれども、二十一条の言論、出版から集会、結社の自由というのは、これは個人であろうと政府であろうと、一切これは関係ないでしょう、平等でしょう、これは法のもとに。そこのところ、ちょっと誤解があってはいけませんので、そこを私が聞きましたので、もし、私の聞いたのが間違いだったらひとつ直してもらいたい。

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、二十一条は結社の自由だと、かように思っております。したがって、特別な宗教信者といえども、これは結社の自由はあると、かように私は考えておりますので、そういうことで、結社の自由というものは、そういう意味ではないかと、かように思っております。

あわせて表現の自由も入っていると、こういうことでございますから、私の不足した部分は訂正させていただきます。

○鈴木強君 表現の自由が入っているというのですけれども、首相が言ったのは、二十条については、むしろ政府が拘束されることであって、個人の問題については幅があるというようなことをおっしゃったのだが、私が言っているのは、二十一条の「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由」ということは、個人であろうとだれであろうと、これはもう差別はないし、当然法のもとに平等な保障がされているんだということを私は聞いているわけです。その点、ちょっと総理の言っていることが違うのですから、はっきりしておかぬといかぬです。

○政府委員(高辻正巳君) ごもっともな点の御指摘でございますけれども、総理が言われましたと同様なことを私も実は説明をいたしておりますが、要するに、基本的人権――特にそのうちの自由というものが一体何に対して保障されるのかという問題でございます。で、そういう自由というものについて、最高裁の判例等を引用して申し上げるほうがおわかりがいいかと思うのでございますが、たとえば、昭和三十年ないしは四十二年にございますが、これはたまたま信教の自由でございます。しかし、自由としては同じでございますが、そういう自由は、国家、その他の権力によって不当に侵されないことをいうのだというようなことが奮われておりますし、また、この昭和二十六年あるいは二十七年の判例には、「言論、出版その他一切の表現の自由」というものに関連して、自己の自由意思に基づく制限を受けることがあり得ることを述べた裁判例がございます。要するに、憲法はよく、国政の基本に関する事項を規定したものだと言われておりますが、そのことから明らかでありますように、この自由というものは、この国政の権力に対して自由であるということ、国政の権力からの自由、これの保障というものが憲法の成立の由来でもありますし、典型的にはそういう場面を示しているものであるということが言えることは、まず間違いがないことだと思います。

ただし、だからといって、それでは私人間でそういうものが放任されていいものかといえば、それはそうではなくて、そういう場合のために国内法の整備があり、民事上の責任の追及あるいは刑事上の責任の追及のための法の規定が整備されておるということになっておるわけでございます。で、それをまあ総理は簡単に言われたわけでございますが、本質的にはいま申し上げたようなのがこの筋道であろうと思っております。

○鈴木強君 判例を一応読み上げられましたから、結論だけは、わかりましたけれどもね、しかし、いま法制局長官もおっしゃっているように、だからといってね、個人の自由というものが侵されていいということにはならぬと私は思うのですよ。だから、その判例そのものが表現の自由、出版の自由、結社の自由、団結の自由についてのずばりの裁判であれば知りませんけれども、そうでなくて、関連したことから出てきたことをあなたは判例として出されたわけですからね。ですから、私はいまの法制局長官のことばをそのままいただくわけにはまいりません。憲法の解釈そのものは、これはまあ最終的には最高裁の判断に待たなければならぬと思いますけれども、そういうなまやさしいような、だいぶ弾力性のあるようなことを言われてはこれはちょっと迷惑しますよ。これはひとつこの場所で論争するという時間がないですから、また機会をあらためますが、そこで、藤原氏の発言というのは、総理も新聞でごらんになったと思いますけれども、かなり詳細に事実関係を述べておりますね。あれが全国的に伝わって国民の耳に入っている、頭の中に入っている。そうなりますと、それを否定しないということになると、それは事実として生きてくる――生きてくるというか、事実として認められてくる。こういう反作用を持っていると思うのですね。そういうふうなことで非常に真相究明ということが、一方の発言ですから、それに対してこうだということが出ておりませんので、非常にこれは困ったことだと私は思うのですが、そういう結果から見ると、しかし言わなければ認めたということになるのですか。――そういうふうなことになってもこれはやむを得ないのでしょうかね。それでもいいというのですか。

○国務大臣(佐藤榮作君) 賢明な国民はあの記事を見てどういうように感じますか、その国民の良識で判断さるべきことではないかと、かように私は思っております。

○鈴木強君 そういう抽象的なお答えでは私にはよくわかりません。

そこで、この田中さんと藤原さんの会談というものが、言論・出版の自由を妨害したものではないというふうに総理は確認いたしますか。

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、田中君の国会討論で発言したところを聞いた。そうして田中君がはっきり、よけいなせっかいをしたのだと、こういうことを述べて、これは各党の代表者がその討論会で聞かれたことだし、また国民もそのまま聞いておる。確かに、私はよけいなせっかいをしたのだと、かように私は考えておりますし、いわゆる圧迫という問題だろうとは思わない。これはまあ私どももしばしばあることですが、現にたとえば私自身の悪口を言えば、また事実に反することが載るとすれば、それはひとつ何とかしてやめてくれぬかと、こういうことを話しするのはこれは当然です。これは普通の人情だと、普通のありきたりだと思うのですね。それをまあ直ちに、いや買収だ、いや圧迫だ、供応したと、とやかく言うのはこれはいかがなものでしょうかね。だから、その程度の問題も、過ぎるとこれは言われるとおりになりましょうが、しかし、あの程度の問題は、田中君が言っているように、これはよけいなおせっかいだと、私のところへ参りまして、たいへん総裁に御迷惑をかけてほんとうにただいま反省しておりますと、かように申しております。私は、それでいいのだとかように思っております。

○鈴木強君 それはそれとして、総理がいいと言うなら私がもう介入する余地はないわけですから、それはいいですけれども、ただもし私は、国民の立場からまた議員としての立場から心配するのですね。もしそれだけの妨害をしたことではない、買収をしたことではないというのであれば、むしろあなたは自由民主党の総裁として、国会は自由に言論について発言できる場所ですから、相手方がああいうふうに言っておるのだが、これは事実と違っておるのだということを堂々と証人なり参考人を出して、この国会の場でもってその真相を究明して、なるほどそうだったかと、言論・自由の妨害はなかったのだと、こういうことをはっきりさせることが私は総裁として一番大事なところではないかと思うのですけれども、どうでございますか。

○国務大臣(佐藤榮作君) これはまあ使い分けしたと言っちゃ申しわけございませんが、私は総裁であると同時に総理でございますし、また、その政府がこういう国会の問題にタッチしたと、かように言われることも避けなきゃならない、かように思います。したがって、別に自分を二重に使い分けしたわけではありませんが、政府がきめることではない。私は、こういうような問題が国会の各党で、全部が賛成してですね、きめられるという、そういう態度が望ましいことではないだろうか、かように思います。少なくともこういうような問題が、まあいろんな問題がありますが、ことにまあ一党について、それが特別な非難攻撃を受けると、こういうような問題が全党の、各党の了承のもとに証人を呼ばれるならともかくも、それをやっぱり数で証人を呼ぶことを決すると、こういうようなものではないだろうと、かように私は思っておるので、ただいまこれらは総裁としての議論としてもですよ、……してはどうも国会でおきめになることではないか。よけいなことを政府は言わないにこす……。まあ一言多いとこれはたいへんな問題であろうと私は思っておる次第でございます。

○鈴木強君 まあ総理はわかっておっておっしゃっているのだと思うのですけれども、まあ私からすれば、総裁であり総理、総理であり総裁ですからこれは同じですね。二重的な議院内閣制をとる場合には、それなんですよね。したがって、大学管理法のときに、総裁が参議院議長に会って何かお話をされる、幹事長が来てやられる、こういうことを私たちは見ております。ですからそれは政党の総裁としてこの法律案はどうしても通してもらいたいというときにはやるんでしょうね、議院内閣制をとっている以上は。ですから私はこういう問題についてもひとつわかりました、みんなが一致しないから、たとえば参考人を呼ぶ場合でも、全体が賛成しないものを多数で押し切っていくというようなことはこれはどうかと思うと、こういうことだと思うのですね。私はそれはちょっとおかしいと思うのですよ。やはり国会運営というものはなるべくそうしたい、私も。全会一致でやるということは、これはたてまえだと思いますけれども、望ましいことだと思いますけれども、やはり最終的にはそのほうがいいという判断に立てばやはりおやりになるというのがあなたのおっしゃる多数決に従うという、その民主主義の原理だと思うのです。したがって、そういう立場からすれば、私はほんとうにあれが何でもないのだとするならば、しかも藤原さんの言っているあの発言はおかしいじゃないかということであるならば、当然それを打ち消していくだけのことを国会の場を通じてやるべきではないでしょうか。そういうことを総理としては、私はやってほしい、こういうことを言っているわけです。

○国務大臣(佐藤榮作君) まあ同じことを言っていて相すみませんが、まあ、いま別にことばじりをとるわけではございません。何でもないものなら呼んだらいいじゃないか。何でもないものなら呼ばなくてもいいじゃないか。こういう議論が立つわけでございます。そこらのところは、これは水かけ論になりますから、そういう議論はともかくとして、私はいまの政治をやる、あるいは野党が反対でございましても、やはり政治の責任者として、このことは多数でやはり採決を遂行せざるを得ない、こういう問題はございますけれども、それとはこと違って、ただいまのようなこの事件の証人喚問という、そういうことはこれはやはり各党が了承しないとこれはできないことじゃないかと、多数でこれは押し切るべきものではないじゃないかと、こういうことに、私はなるのでございます。ただいまいわれるように、究明したい点がなお残っておるのだ、こういうことを、それはやはり本人について聞かなければならぬのだ、こういうことを言われますが、私は皆さん方も御承知のように、言論の自由、それの圧迫はこれは厳に戒めなければならぬというその態度が明確になれば、その公の問題としては一応済むのではないか。ただいま証人喚問というそういう事態にまでなって、そうしてそれも掘り下げていって、そこらにまたいろいろのよけいな波紋を投げかけることは、はたしてそれでよろしいのかどうか、私はやはり疑問を持つのです。これはやはりそういうような問題は、その大原則、それが守られるというそういう方向で進む、それが国民の望むところでもあり、国民はそういうことで事件の真相、その詳細にわたって事件を知ることということよりも、こういう問題についての政府の態度なり各党の態度というものがはっきりすることが望ましいのじゃないかと、私はかように思っております。まして、ただいま言われますように、これは別に問題はないのだから呼んだらどうですかという、それならばむしろおやめになったらいかがですかと申さざるを得ないようになるのでございます。これはどうもことばじりをとってとやかく申してまことに相すみません。これは鈴木君の言われることもわかりますけれども、私の真の言いたいことは、政府の政治に関する問題、これははっきりしたのだ、そういうことでお許しを得て、ただいまのそれから先の個人的な救済問題は、これは別途に考えていただきたいと、したがって、前段ならば、これは証人喚問ということに私どもも応ずることにやぶさかでございませんけれども、ただいま申し上げるように、これはそうではないのだ、そこらに他の一般案件と違うのだから、これは各党が了承されない限りやはり証人喚問をすべきじゃないと、かように私は判断をしております。

○鈴木強君 まあこれはたいへん問題はまだ残っておると思いますけれども、時間がありませんから、それではもう一つこういうことを承りたいのですけれども、衆議院の段階で例の議員集会が開かれまして、ああいう国会の正規の場所でやらなければならないことが、まあ院外というと……、この国会の会館ですからね、外といわれるかどうかわかりませんが、正規の委員会ではない、そこで開かれたということは、私も非常に問題があると思っているのです、これは。しかし、この場合に言論・出版の自由を妨害したかどうかというこれは基本的な憲法上の個人の権利の問題ですからね、そうかといって、そうだという人たちから見れば、これは引き下がることはできなかったと思うのですよね。だからして、やむを得ず私はああいう集会を開いたものだと思うのですよ。証人が出席しない、どうしても真相究明できない、したがって、ワンサイドになるかもしらぬが、一応その人たちの意見というものを聞いて、国民の判断を仰ごう、こういう趣旨で私は開かれたものだと思うのですよ。しかし、原則的には、少なくとも国会というのは総理もおっしゃるように、言論について自由に論議をする場所ですから、この正規の場所でやるというのが私は絶対正しいと思うのですね。それをはばむようなやり方というのは私は問題があると思うのですよ。そこにいま総理の言われる証人については全員が一致しなければ呼ぶべからずというお考え方に対する問題が衝突してくるわけですね。これはもっと私は論議をしなければならぬとこう申し上げたところなんです。そこで、しかし、総理としてああいうことがいいとは私、思っていないと思うのです、国会の論議のあり方として。だからしてもう少しああいう集会がああいう形で開かれないような、積極的なひとつ国会の場における運営ということを総理、総裁として当然考えてもらわなければ困ると思う。再び私はあんなようなことがないようにしてもらいたいと思う。われわれももちろんそれには積極的に協力しなければなりませんが、総理、総裁としてもそういう方向でやってほしいと思いますが、この点はどうですか。

○国務大臣(佐藤榮作君) まあとにかくりっぱな国会があり、それぞれの委員会があるしするのでございますから、そういうところで国会の論議が尽くさるべきだと、それ以外に特殊な議員集会というようなものが開かれて、そうしてそういうところで審議に準ずるようなことがやられると、それに参加する者と参加しない者ができると、こういうことはいいことではないことだと、これはもうおやりになったほうもいいことではないとおっしゃるし、そういうことをやらざるを得ないような状態にしたという、それらの方向にもやはり責任はあると思います。私は、そういう意味で先ほど来申し上げますように、この種のものは政府に対する問題と違うから、やっぱり各党で全部が了承する、そういう関係で初めてああいう事柄ができるんではないのかと、だから各党の賛成しない議員集会、これはなるべくやらないようにしていただきたいと、かように私は思います。

○鈴木強君 やらないようにするのには、あなたのほうもそういうふうな姿勢でやってもらわなければだめですよ。一方的では。

○国務大臣(佐藤榮作君) いま申し上げましたように、それはさように思いますけれど、とにかく全部が了承するということが必要だ、かように思います。

○鈴木強君 まあ両方言っておりますから、私は総理の御意見は、ああいうものはまずい、ああいうやり方は。しかし、ああいうやり方をしなければならぬような重大な問題であったし、やらざるを得なかったんだ、しかし、そういうふうに追い込んでいったのはやっぱり自由民主党の三百議席を持つ皆さん、だからしてそういう両者がお互いにもっともっとよく話し合いをし、煮詰めて、そうしてああいうことがないように、国会の中で正規に開かれるような場所をつくるために努力をしなければいかぬということを私は言っているわけですから、それにすなおに答えていただきたい。

○国務大臣(佐藤榮作君) すなおに答えると、とにかく全体が意見が一致するということ、それが最も望ましいことだ、このことを重ねて申し上げておきます。また、そういう方向で私は絶えず努力しておるつもりでございます。

○鈴木強君 まあ、この次の問題は、私は意見として申し上げることになりますが、出版元に対する圧力が加わったかどうかという点でございます。この点につきましても議員集会で日新報道社の社長さんが、公明党の都会議員の藤原行正さんから、出版を中止されたい、題目を変えてほしい等、五つの点を申し入れを受けた、こういうことを明らかにしておるわけです。そこで私は、この際、公明党の皆さんにもひとつこの問題をよく考えていただきたいと思うんです。で、公明党の皆さんも言論・出版の自由妨害をしておらない、こういうことを再三言明されておりますし、また、党の機関紙その他一般の新聞にも責任者から談話を発表されておるし、PRもされておるわけです。そうだとすれば、やはりいま総理にも申し上げたように、国会の場所に必要な人が出てきていただいて、そうしてその公明党の言論・出版妨害なしという態度を堂々と表明されて、そうして国民からもし誤解を受けておるとすればその誤解を解く、そうしてお互いに憲法に保障された言論・出版の自由を確保するという、そういうところに私は結着をしていってもらいたいと思うのでございます。当然公党としてはそうあるべきだと私は思うのでございます。少し立ち入ったようなことで失礼ですけれども、私、これは希望でございます。

そこで、これ以上時間ももうなくなりまして、私はこの問題について論究することはできませんので、ひとつこの取り扱い方について提案をいたしますので、委員長においてひとつ取り計らっていただきたいと思います。それは、一つは事件の真相を明らかにするために必要な参考人あるいは証人を呼んで論議をしていただくということ。二つ目は、その審議のやり方あるいは証人、参考人をだれにする、そういうことについては理事会のほうで十分に御協議をいただくようにしていただきたいと思います。このことを提案し、委員長の御所見を承って、言論・出版の問題については終わります。

○委員長(堀本宜実君) ただいま鈴木委員から私に、言論・出版の自由の確保に関しまする御意見がございましたが、この問題につきましては、後刻委員会の理事会で協議をいたしまして善処をいたしたい、かように考えておりますので、御了承をいただきたいと存じます。

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