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063回-衆-予算委員会-16号 1970/03/19

○佐藤内閣総理大臣 憲法二十一条の規定、言論、出版の自由、これは尊重しなければならないということはお尋ねに答えたはずでございます。それで私の、自民党の基本的な考え方は御了承いただけたものではないか、かように思っております。

○西宮委員 公明党の浅井国対委員長は先般談話を発表されまして、きょうの集会――この間のやつですね、きょうの集会は出席者が言いたいほうだいを言う一方的な集会に終始し、全く価値がなく、批判に値しない、こういうことを新聞で言っておられるわけであります。私はそれだからこそ、それだからこそ、これは国会の場所でそういう関係者に出てもらって、みんなが考えていることを思う存分に話しをする、こういうことが必要なんだと思うのですよ。ところが公明党の方々も、これには賛成をされないわけです。私は、この国対委員長が言っておられるとおり、もしこの間の人たちがそういう一方的な意見をかってほうだいに言っているのだ、こういうことであってはいけないから、だから国会の正式の場所でみんなでやろう、こういうことを提案しておるのに、それに御賛成を得られない。こういうことは私はまことにふに落ちないわけでございます。そこで私は、佐藤総理が、総理の立場あるいは総裁の立場で指図はしないと言われるならば、それでもやむを得ないと思いまするけれども、そういうことになりますると、私はどうしても痛くない腹を探らざるを得ないわけでございます。なぜそういうことになるのか、なぜこういうことに抵抗をされるのか。私が想像するならば、たとえばこういうことを開くと田中幹事長に累が及ぶ、あるいはまた公明党にいわゆる借りがあるのだ、こういうようなことが想像されるのではないか。これはあえて私が想像するというだけではなしに、新聞等がこのことを書いているわけでございます。社説にもそのことを言っているわけであります。したがって、私はぜひそういう正式の場所でみんなでお互いに正確に究明する、こういうことが当然に必要だと思うのであります。先般の会合に対しては、各新聞とも相当にスペースをさいて報道をいたしておりますのも、同じような趣旨に基づいておる。あるいはけさのある新聞の社説には、政府・自民党がこの問題について発言をしないということについて国民は深い疑問を持っておると、こういう意味の論説を出しておるわけです。佐藤総理はこの問題についてどういうふうにお考えでございますか。

○佐藤内閣総理大臣 私はどの新聞がどういう社説を書いたか、それは別といたしまして、それは御自由だろうと思いますが、すでに自民党の態度、政府の態度、憲法二十一条に対する私どもの態度ははっきりさしておりますので、これでもう国民は誤解は持たないだろうと思います。ただいま言われるように、特別な因縁があるとか借りがあるとか、こういう問題がうちの幹事長に関係があるとか、これは少し言い過ぎじゃないだろうか。私はそういうことは思わない。ただいま申し上げるように、国会を通じてはっきりした態度を声明すれば事足りるのじゃないだろうかと思っております。そうして、ことに個人的に権利が侵害されたら、そういう事実に基づいてそれぞれの救済方法はあるのでございますから、そういう方法をとられるべきじゃないか、かように思っております。いたずらに議論をするだけが能ではない、かように私は思っております。

○西宮委員 個人的な権利の侵害に対しては救済方法がある、もちろんそのとおりでありましょう。しかしわれわれは、この問題が国会で論議になっておるとき、国会の論議の対象になっておるそういう際に、われわれは、たとえば公明党の方もこういうふうにおっしゃっておるのだから、それならばみんなでこういう公の場所で議論をしたほうがかえってそういう疑いが晴れていいのではないか、こういうことを主張しておるわけであります。私は、そういう点で、一体なぜそれならば、たとえば自民党にしてもあるいは公明党にしても、こういう場所で、もし証人を呼ぶことが適当でないならば、それでも幾らでも発言する場所はあるわけです。出る幕は幾らでもあるわけだ。ところが公明党の方々も全然こういう場所では発言をされないで、たとえば機関紙その他で一生懸命宣伝をしておられる、これももちろんけっこうでありましょう、それは当然自分の機関紙でありますから。しかし、国会で問題になっておるのでありますから、私はやはりこういう場所をお使いになって、その態度を明らかにするということが必要なんだ。自民党についても同様ですよ。そのことは全く必要だと思う。なぜそれほど皆さんがおかばいになるのか、私はまことに疑問にたえないわけでございます。自民党なりあるいは公明党の方も、不規則発言ではなしに、何か私の言っておることに間違いがあったならば、関連質問の形でもけっこうですから言っていただきたいと思います。

私はここで国務大臣宮澤喜一さんに一言お尋ねをいたしますが、選挙前の二党間の対談で公明党と対談をされましたが、その際に、公明党はファッショ的政党である、こういうことをおっしゃっておられましたが、これはどういう御意図でございましょうか。

○宮澤国務大臣 これはテレビ会社のレコードに残っておると思いますので、それを確かめて申し上げなければなりませんけれども、私の記憶では、こういうことを申したのでございます。公明党と創価学会との関係についてお話が出まして、それはあたかも――これは言われたとおりに申しますので、どうぞお気を悪くなさらないでいただきたいと思いますが、社会党と総評のような関係であるという御説明がございました。そこで私が、それでは総評というものは選挙によって議長、役員がずっと選ばれ、きめられていくものであると思うが、創価学会におかれましても、会長というものはやはり選挙という手続によって選ばれていかれるものなのかどうか、つまり宗教というのは、多数決というもののない社会であると私は思いますから、そういうところでも多数決による選挙というようなもので会長というようなものが選はれていくのでございましょうか、ただこれは宗教のことでございますから、私はあまり公に申したいことではないし、また非常に謙遜に、非難をするつもりでなく申し上げるつもりでございますけれども、その辺はどういうことなんでございましょうか、こういうことを申し上げた記憶がございます。

○西宮委員 そういう点について、この選挙の際に、公明党の方々が、宮澤さんの御意見に対して非常な不満を持たれて、これを強く批判をしておられた、あるいは攻撃をしておられたということを、私はよく承知をしておるわけであります。したがって、私はいま役員選挙の問題等について、そのやり方についてお話しをされた、私も実はその点について大きな疑問を持っておりますので、後にもし時間がございましたら、その点もお尋ねをしたいと考えておるわけでございます。

私は、先般の分科会等でも申し上げたのでありまするけれども、こういうふうに皆さんが今度の問題について心配をしておるわけであります。これは、新聞等がこの問題を大きく取り扱っているということでもおわかりのように、国民はずいぶん心配をしておる。さっき佐藤総理は、そういう痛くない腹を探るのは西宮君の思い違いだというふうに言われましたけれども、そうじゃなしに、あの新聞等でもおわかりのように、国民の多くが心配をしておる。したがって、会長であられます池田大作さんが率先してこういう場所においでになって問題を明らかにしていただくということがよいのではないか、こういうことを私は先般もずいぶん主張をしたのでございます。私はその点は今日もなお変わっておりません。

佐藤総理にお尋ねをいたしますが、いわゆる「創価学会を斬る」という書物がございますが、佐藤総理あるいは総理の御夫人はこれをお読みになりましたか。

○佐藤内閣総理大臣 これはこの前、委員会でお尋ねがありまして、私は序文というか、前書きだけは読んだ、こういうことを申したと思います。そのとおりでございます。家内は別にこれを読んでおりません。

○西宮委員 聞くところによりますると――聞くところと申しまするのは、佐藤総理の齋藤秘書官が著者に電話をかけまして、この本は私も家内も読んだ、たいへんに勇気のある態度でそれには感動した、訪米前で会えないけれども、帰ったら会いたい、ぜひがんばってくれ、こういうことを伝えたと聞いておるわけでございますが、それは事実かどうか。

○佐藤内閣総理大臣 いまの前書きを読んでみて、あれを印刷するまでのいろいろのいきさつが書いてございます。これはよくこういう本が出たものだと、実はそういうことを申したのです。私は秘書官から電話をかけろと言ったわけじゃないのです。秘書官自身が実は藤原君と高等学校からの同窓だそうです。総理がそう言ったよということを言ったのだそうです。ところが、総理も非常に勇気づけた、こういうように話が伝わっております。まあ話というものは大体そういうようにだんだん針小棒大になりますから、事実を申し上げておきます。

○西宮委員 たとえば非常に勇気ある本だということをお話しになったり、さらに民社党の西村委員長に対しては、西村さんはこの本を読みましたか、まだ読んでないならばぜひ読んでください、これはたいへんにいい本だ、私のところには余分があるから、もしないなら差し上げますよ。それで西村さんはそのとき初めて見せられた、こういうことを西村さん自身が語っておられるわけですよ。だから、それほど人にまで推奨されるならば、単に序文だけ読んだというのではいささか責任がなさ過ぎると思うのですけれども、その点はいかがですか。

○佐藤内閣総理大臣 これはあの書物が出た直後、時事放談、政治放談で小汀君が取り上げていた。ちょうどその時分に私のところに届けられた本であります。したがって、ただいまのような話が大きくなってだんだん伝わっていく、さようなことでございます。

以上で私に関係することは終わりです。

○西宮委員 それじゃ、佐藤総理に関係するところは終わりにいたします。

次にお尋ねをいたしますのは、この間のわれわれのいわゆる議員集会でありますが、その際に、藤原弘達、植村左内、隈部大蔵、内藤国夫、著者としてはこの四人の人が証言をしたわけでありまするけれども、実はこの四人とも、若干ずつの違いはありまするけれども、やり方は大体共通している。いわゆる言論妨害をされたと称するところの事実は、大体大同小異でございます。

そこで、新聞等でお読みかと思いまするけれども、きわめて要約をして簡単に申し上げたいと思うのでありまするが、第一は、そういうものを書いているらしい、そういうことがどこからともなく伝わると、直ちに著者に対して、たとえば書くのはやめたらどうだろう、あるいはまた題名は変えろ、あるいはまた書店等に対してはあの著者は適当ではないというようなことがあったり、あるいは学会の批判は避けてくれ、あるいは特に池田会長について論及することは絶対にやめてほしい、こういうことが、あるいは知人、先輩、あるいは職務上の上司とか職場の上司とか、そういう人を通じて言われてくる。さらに出版元に対しましては、そんなものは出しても売れないぞ、みんな返品をされてくるから商売にはならぬ、こういうことで言われる。そこで、著者はいずれもそういう印刷所なり製本所なり、そういうところに学会の関係の方がいないかどうかということを確かめて印刷に回す。それがために、みんな親子でやっているとか、そういうきわめて零細な印刷所なり製本所なりをさがして、そこに注文をしなければならなかった、こういうことでございます。たとえば隈部大蔵さんなどは、最初の出版元はそれがためにつぶれてしまっておるわけでございます。

さらに取り次ぎ店の問題でありますが、大手取り次ぎ店はこれらをいずれも拒否をしている。しかも、公明党からそれはやめてくれ、こういうことがあったので取り次ぎはできませんということが、実は録音テープにも残っておるわけでございます。さらに小売り店の段階には、これは全部手が回っておって、それは扱わせないというような行動がとられておる。たとえば皆川参考人の供述でありまするけれども、社長以下十一名が手分けをして日本全国を回った。大体二千軒近い店を回った。ところがそのうちの八割程度はみんないわゆる潮出版社とかあるいは学会関係の方が来られて、もしそういうものを扱うならわれわれのほうのはお断わりをする、こういうことでいずれもいわば妨害をされておった、こういうことでございます。しかも、それは一回ではなしに何回かそういうことが行なわれておった、こういうことであります。あるいは広告に対しても、広告は扱わない、こういうことが行なわれたこともすでに御承知のとおりであります。あるいはゲラ刷りの段階でこれがいろいろなルートで公明党の方の手に渡っておる。これもまたいままで何回か論及をされたとおりであります。しかも、それには大ものが出てくる。大ものがあらわれてくる。たとえば日大の古田会頭などが出てくるというのは、何人かの方の証言にありました。つまり、一人ではないということです。こういう大ものがあらわれてくる。この日大の古田会頭なんというのは、これは佐藤総理ともずいぶんごじっこんの方のようでありますから、かなりそういう意味では圧力があるのではないかと思います。よけいなようでありますが、いつかも申し上げたが、佐藤総理は、この日大の会の総裁であります。社団法人日本会においでになりまして、私がこの会の総裁になったことは、自由民主党の総裁になった以上に光栄に存じておりますと、こういうようなごあいさつをしておられるほど、非常に親しいようでありまするから、これは相当の圧力になっているに違いないと思う。

私はそこで関係大臣にお尋ねをいたしますが、こういういま申し上げたことは、いずれも共通して大体似たり寄ったりのことが行なわれておったわけであります。これらはたとえば脅迫罪であるとか、あるいは威力業務妨害罪であるとか、ないしは営業妨害であるとか、あるいはまた独禁法に対する違反であるとか、こういうことにならないのかどうか、法律的な見解をお尋ねをいたします。

○佐藤内閣総理大臣 いずれ、お尋ねの点はそれぞれの所管大臣からお答えいたします。

ただいま古田さんの名前が出て、私と非常に懇意だ、その古田さんが出版についていろいろ妨害した、いかにも私が関係してあるかのような印象がありました。私はその点、まことに遺憾ですから、私とその点では全然関係のないということをこの機会にはっきり申し上げておきます。そしてまた、その点は取り消していただくとたいへんしあわせなんです。古田君と私とが親交があることは、これはそのとおりでございますけれども、しかしこの問題について特に親交があるということを強調されると、何だか私自身、やはり古田君に圧力を命じたか、あるいは同類であるかのようになりますので、その点が、聞く人によっては、誤解する人もあるのじゃないか、かように思うから、一言申し上げておきます。

○西宮委員 私は、速記録を読んでいただけば十分わかりますが、そういうことを、佐藤総理が古田会頭を介して、古田会頭を通じて圧力をかけたなんということは毛頭申しておりません。古田さんが出てきたことはたびたび出ている、しかもこの方は佐藤総理ともじっこんの方だから、相当のそういう意味では圧力を持っているというか……(「そこが……」と呼ぶ者あり)いやいや、総理が圧力というんじゃないですよ。彼はそういう政界の最も偉い人と親交がある人なんだから、したがって、そういう人の言動は相当の影響力を持つだろう、こういうことを申し上げたので、さらにいまの総理のお話でおそらく誤解はされないと思いますから、その点は御心配ないようにお願いをしたいと思います。私自身そういうふうに申したわけでは全くありませんから。

○小林国務大臣 ただいまいろいろお話がありましたが、言論、出版を抽象的に妨害したとかじゃましたとかいうこと、そのものが犯罪と、こういうわけにはまいりません。すなわち、じゃまする、妨害する手段として具体的の行為が脅迫に当たるか、暴行になるか、こういうことでございまして、その具体的の行為についてのことである。したがって、いまお話しになったような、単にじゃまをしたとか、こういうようなことで犯罪になる、こういうふうには考えません。

○西宮委員 それでは、その具体的な例として一つだけあげておきます。たくさんありますけれども、一つだけあげておきますが、その隈部大蔵氏は、この人は西日本新聞の東京支社の論説委員であります。商売柄詳細なメモをとっておりました。昭和四十三年の九月十一日に赤坂のプリンスホテルに、北条浩さん、これは創価学会のたぶん副会長だと存じます。この方からお呼び出しを受けまして、再三断わったけれども、ぜひ会いたいというので、このいま申し上げた日に参りました。そこでいろいろお話をされました。そのときの内容を、克明にメモをしておられました。そのメモの一節によりますると、学会の中では青年部はまことに勇ましいのだ、したがって人間革命に燃えている青年部の象は――エレファント、象ですね、象はアリ一匹も踏みつぶすのだ、アリ一匹も踏みつぶさずにはおかない、こういうことを言ったそうであります。青年部の元気のいい人たちは、アリ一匹も踏みつぶすんだ、こういうことを言われたということは、私は、相当な相手に対する圧力だと思うのですよ。あるいはいままで何べんも交通事故に気をつけろとか――学会の方もことばづかいは、これは皆さんのお話を聞いてよくわかるんだけれども、ことばづかいは非常に丁重にことばを使われるわけでございます。決してそういう乱暴な言い方をされるのではないのでございまするが、たとえば折伏教典にはこう書いてあります。まず静かに説いて聞かせ、その上反対するならば、獅子王の力をもって屈伏せしめなければならないと、折伏教典にはこういうふうに書いてあるわけです。したがっておそらくそのまま静かに説いて聞かせる、こういうやり方でございまするから、ことばそのものはたいへんに静かだろうと思います。しかし、いまのような発言は、私は、相手にとりましては相当な威圧になっていると思う。あるいは交通事故に気をつけろとかその他等々の、たくさんの問題があるわけであります。それはぜひ――いま大臣は具体的な問題として検討しなければならぬと、こういうお話でありますから、そのとおりだと思います。ですから、ぜひともこの点は十分に究明をしていただきたい。事実を明らかにしてこの国会に報告をしてもらいたい。そのことをお約束してもらえるかどうか、お答え願います。

○小林国務大臣 検察にしても警察にしても、事実があったかどうか、被害を受けた人から申告あるいは告訴、告発でもなければわかりません。したがって、あるいは最近法務委員会において――おまえを殺すぞ、こういう電話がかかってきたのは脅迫罪になるか、これは、そういうことを言えば脅迫のようになる疑いがある、こういうふうに考えますが、圧力を感じた、これは感じたかもしれませんが、感じたということが、そのことが直ちに脅迫になるとか暴行になるとか、こういうことはありません。

○西宮委員 その点が、相手が圧力を感じただけで法律違反になるかどうかというくらいのことは私だってわかりますよ。だから、その具体的な事実が、これが脅迫なりその他に該当するかどうかということは十分検討してもらって、その具体的な事実として検討してもらいたい。

この間、十七日にわれわれはああいう集会をやったわけでありますが、あのとき、いわゆる参考人として出てもらいました人たらに、その後何か変わったことがないかといって聞きたかったのでありまするが、実は、時間がないので十分できませんでした。そこで藤原弘達さんにだけ伺ったのでありまするが、あの十七日のわれわれの会合に出てから今日までに二十回ほど、電話でいわゆるいやがらせその他を受けた。これは、最近のやり方は、夜の夜中に一時でも二時でも、電話のベルが鳴って出てみると、がちゃっと切ってしまう、こういうことを繰り返すのだそうであります。つまり、寝せないという作戦であります。ただし、そのうちに問答したものがあるので、問答したやつは録音テープになって警察に行っておる、だからそっちのほうで調べてくれ、こういうお話でございました。ですから私は、こういう事実を見てまいりますと、佐藤総理、総理がかつて、たぶん赤松委員の質問だと思いまするが、こういう問題は当事者同士で話し合いがつけば、めでたしめでたしではないか、こういうふうにおっしゃられたけれども、私は、いままで申し上げたようなことをお聞きいただいたならば、そんななまやさしい問題ではないんだということは御理解いただけるんではないかと思うのでありますが、いかがですか。

○佐藤内閣総理大臣 どうも、具体的な内容については私は詳しく知らないのです。私自身について、ずいぶん悪口を書かれますから、これは身をもって感じておることなんです。自分の悪口を書かれて、あまりいい気持ちはいたしません。やっぱり、事前にわかっておったら、そんなことを書かないでくれよ、こういうことを申しますのは、これは普通でございます。だからそういう意味で、この話がお互いに話がつくのならたいへんけっこうなことじゃないか、かようにこの前お答えしたと思います。ただいまそのようなことじゃないとおっしゃるけれども、私はずいぶん悪口を言われておる。しかし、これは事実じゃないですね。事実でない事柄をまた適当に批判を加えながら書かれるんですから、私自身としても、そういうものを耐えるというのはずいぶん忍耐が要るんですよ。その辺を御了承いただきたいと思います。

○西宮委員 総理のいまの答弁はわかりました。ただ、たとえば批判をするならお手やわらかにしてくれ、こんなのはあたりまえのことですよ。ありがちなことですよ。あるいは、事実と違ったことを言われるのは、それはまことに困る、これも確かにそのとおりだと思う。しかし、学会なりあるいは党なりに対して批判を加えるというものに対しては、こういうふうな、いわば私は組織的と言いたいですね。おそらく公明党、学会の方にお尋ねをしたら、決して組織的にだれか命令して全国一斉にやらせておるんではないんだ、こういうふうにおっしゃると思います。それは私は実は皆さんの、公明党の方々のおやりになることも大体わかっておりますから、そういう命令、特に文書をもって流すなんていうようなことはおやりにならないこともよく承知をいたしておりますから、そういう形では行なわれていないと思いますけれども、しかし、こういうふうに日本全国――さっき申し上げた人は、北陸と山陰を除いて、その他日本全国を十一人で回ったわけであります。そうして八割程度はさっきのような小売り店等がみなそれを受けている。こういうようなことを見ると、これはやはり組織的に行なわれておると考えるのが常識だと思う。私はそういうことになりますると、これは佐藤総理が言われるような、ただお手やわらかに頼むぞといった程度の問題では済まされない事件ではないかと考えるのであります。

そこで次にお尋ねをいたしますが、先般の公述人の中に、剱木文部大臣――当時の文部大臣の話が出たわけでございます。これはおそらく佐藤総理も、それは全く知らない、こういう御答弁だろうと思いまするので、私が時間の節約上私が聞いたことだけを申し上げて、あとでお聞きになってお調べになっていただきたいと思います。事実でないならば事実でなくてけっこうでございますから、全く事実無根ならば無根でけっこうでございますから、ただお調べになってというふうにお願いいたしたいと思います。

私は――隈部大蔵さんのことでございますが、隈部大蔵さんが第一回目に出版をされるときに、この出版会社の社長の森村洋之さんですか、何と読むのかわかりませんが、この方とそれから日進印刷の東京の支店、これは社長の弟でございます。この社長は進という名前でありますが、この人の弟であります。この人から――この会社は教科書の印刷をする会社でございます。したがって、文部大臣とはかなり接触のある会社でございます。あるいはその植村社長は、剱木さんの選挙については非常に選挙運動をやる方でございます。したがって、両人ともかなり近しい間でございます。この二人から聞いた話なんだけれども、剱木文部大臣がそういうものはやめてほしい、やめたらどうだ、こういう話を聞かされた、こういうことを言ったわけでございます。私は時間がありませんので、これはただいま答弁をいただきません。事実がなければないでけっこうですから、あとで十分お調べになっていただきたいと思います。

次に私は――それでは簡単にお願いします。

○佐藤内閣総理大臣 私は知らないのですが、官房長官が、剱木君が否定している、そういうことは知らないとはっきり言ったという、新聞に載っておる、かように申しております。

○西宮委員 私も新聞を拝見いたしました。それならそれでけっこうでございます。ただ、そういうことが少なくとも疑われるようなことがあってはいけないと思うので、御指摘をいたしておきます。

次に申し上げる田中幹事長の問題は、これは問題がないとは言えない。そこで、いわゆるおせっかいをしたと御本人は申しておられますが、そのおせっかいについて佐藤さんは御承知でございましたか。

○佐藤内閣総理大臣 事前にはもちろん知らない。しかし、彼がよけいなおせっかいをした、御迷惑をかけております、こう言って私のところへ来てあやまっておる。その点をこの前、不破君にお答えしたように思います。

○西宮委員 それでは事後にそういう事実があったということを総理はお聞きだ。そこで田中さんは、いわゆるつぶやきを聞いて私はおせっかいをしたんだというのでありますけれども、問題でありますることは、単なるつぶやきではない。たとえば藤原氏の言によりますと、こう言っております。竹入に泣きつかれたんだ、知っているのは池田、竹入、矢野、君とぼくと五人だけだ……。あるいは料亭に招かれた。二回行ったわけですが、そのときには、ちゃんとその人たちの分まで席が用意をしてあった。あるいはいますぐ竹入が来るから待ってくれ、こういうことを言われた。いわばそこで手打ち式をするつもりではなかったんだろうかというようなことを言っておる。あるいはその買い上げの金はもちろん公明党が持つんだ、こういうことを言っておるわけでございまして、これは総理に質問してもしかたがないことでありまするが、少なくとも単なるつぶやきではないんだということだけは十分にわかると思うのであります。

そこで、田中幹事長はまことに多忙な方です。この方がこれほどまで手を尽くしておる。こういうことに電話をかけたり、二回まで料亭に来たり、あるいは約束の時間の十五分前に来て待っている。こういうことは常識では考えられないことでございます。私はそういう点は何かあるんではないかというふうに疑わざるを得ないわけです。これはあえて私、西宮が疑うだけではなしに、たとえば新聞等はみんなそういっております。もし佐藤総理が特に弁明したいことがあるならば御弁明を願いたいと思うのでございまするが(笑声)このことは、まあお笑いにならずに聞いてください。このことは大事な問題ですから、お聞きになっていただきたいと思う。このことは公明党の方も言っておられるわけですよ。これは先般いわゆるテープが公開された。これは秘密の会合だったそうでありまするけれども、今日では公開されておるんですから申し上げて差しつかえがないと思うのであります。しかも、そういういわゆる秘密の会合だから、ほんとうのことを言われたんだと思うのでありますが、これにはこう言っておられるわけですね。「自民党なんかにものを頼むほどわれわれは落ちぶれてはいない。皆さんにわかってもらいたいんだけれど、うちは自民党に貸しはあるけれども借りはないですよ。貸しはいろいろあるけどね。黒い霧の導火線をうちは握っているんだ。いつだって火はつけられるんだ。それなのに調子に乗りやがって、うちをおどかす片棒をかついでいるやつなんか容赦せぬ。容赦せぬとわれわれがおこるだけで向こうはあわてちゃっているんです。公明党に対して、創価学会に対して、池田先生に対して、好意的な目つきをしておかないと、総理への道に落とし穴をつくられてしまう。時限爆弾をしかけられてしまう。それこそ顔面まっさおになって毎日ふるえながら新聞を見ているのは自民党ですよ。公明党のかんにん袋の緒が切れたらどうしましょう。それがこっちにわかっているから、笑って平気なんです。」こういうことをこれは公明党の方がおっしゃっておるわけでございます。私はこういう点を見ると、これはいかにもいわゆる貸し借りがあるんだ、こういうふうに見ざるを、あるいは考えざるを得ないわけですよ。私はその点について、どうも総裁になる落とし穴までしかけてあると、何だかこれは田中角榮さんのことを言っているんじゃないかななんていうような気がするわけですけれども、私はこれでは――ああ、そうですが、お隣かもしれません、総理のお隣かもしれませんけれども、私は自民党もたいへん考えていただきたいと思うのでありますが、公明党の方も、私は実は公明党という政党は、たいへん失礼なことを申し上げて恐縮でありますが、文字どおり公明な政党だ、したがってみんな国民はそういうイメージを持っておったわけであります。ところが取引もやるんだ、取引をする政党なんだ、こういうことは私はまことにふに落ちないのであります。かつて日蓮聖人は鎌倉幕府に対抗して勇猛果敢に戦った傑僧であります。私は今日まことにうたた感慨にたえないのでございます。

私はそこで、なぜ公明党の方が、まあことばは悪いので申しわけありませんけれども、こういうふうにうそを言われるのであろうか。第一は、先般の藤原氏の問題の際に、そういう著書については全然無根である、あの問題について容喙した、介入したというのは無根であるということを言われた。後には若干の接触があったということを言われた。さらに後には圧迫の事実はないということで否定をされる。こういうやり方でございます。あるいは先般赤松委員が質問された際にも、たとえば本を焼いたという問題について、公明党は一切関知しない、こういう談話を発表する。ところが、それは裁判の記録を見ると明瞭に書いてあるわけでございます。原告は――原告というのは創価学会と公明党でございます――この本の発行済み全部の回収に努力した結果、各被告らの――被告というのは著者ですね――所持したものを含めて十万五千三十八冊の廃棄処分を原告らの確認のもとに完了した。こういうことを裁判記録で、これは書面でお出しになっておるわけです、創価学会から。書面でこういうことをお出しになっている。われわれの確認のもとに十万五千三十八冊を廃棄処分にした、こういうことを言っているんで、全然われわれは関知しないということは全くあり得ないことだと思うのであります。もう一つの事件は、ある高等学校の教師に対して、公明党の都会議員が圧力を加えたという問題を赤松委員が指摘をいたしましたところが、それに対しては、あの教師が公明党を誹謗したので事実の調査を依頼しただけだと言っておりまするけれども、事実の調査を依頼しただけではない。そのときの匿名の人物というのは鷲見美雄という人でありますけれども、この人は昭和四十一年の一月十五日に、校長から、十七日に都の教育庁に行ってくれ、そこでは公明党から抗議が、叱責があるから、そのときには適当に受け流してくれ、こういうことを言われて指定の日に行った。そうしたらば四人の役員を連れて入ってきて――その十七日ですね、いきなり公明党の二人の都会議員から叱責を受けた。それは藤井富雄、小泉隆という議員でございます。叱責を受けた。それで弁明をしようと思ったらば、その態度が非礼であるといってしかられた。それでさらに弁明しようと思ったら、よろしい、当方にも考えがあるといって二人は退席をした。それから続いてあくる日は、公明党議員が強硬だから陳謝をしてくれということを校長から言われ、あるいは二十四日には料亭に招かれて、そこで公明党議員に陳謝をして円満解決をはかってもらいたいと言われ、あるいは二月の十九日に授業の停止を命ぜられ、あるいは三月には公明党の議員に陳謝をすれば円満におさまるんだ、それをやらなければ憂慮すべき事態が発生すると言われ、あるいは三月二十七日には、公明党の生徒からはあの先生は三月末には首になるんだ、こういうことを言われた、そして最後には、ずっと抵抗しておりましたところが、本人の意思に反して転校させられてしまった、こういう事実なのであります。したがって、これまた公明党の方が書記長談話として言われたこととは全く違うのでございまして、私はこういう点がどうして――要するに宗教団体なんでありますから、宗教政党なんでありますから、私はほんとうはこういう、うそと思われるようなことがあってはいけないと考えるのでございまするが、そういう点、まことに残念でございます。

時間がなくなりましたので、私はこの宗教団体と政党が全く完全に一つだ、これは一々例証いたしませんけれども、全く一つだ、こういう状態は非常に問題があるのではないかと思います。したがいまして、私はこの点は憲法上の問題にもなると思う。たとえば宗教団体が選挙活動をやる、公明党の党員は二十八万と伺っておりまするけれども、創価学会の会員は七百万世帯と称しておられるわけでございます。大部分の方は創価学会の会員であります。その創価学会の会員は選挙になりますると、実に猛烈なる選挙活動をやるわけであります。こういうことは、全くの宗教団体が――二十八万人はかりに別だといたしましても、その数百万の方が選挙に全力をあげる、こういうやり方は私は全く異常な状態だと思います。これは現在の宗教法人法の明らかな違反だと思う。実は時間がありませんから御答弁はいただけないのでありますが、これは先般私も論議をいたしました。文部大臣は、それは範囲を越えている、逸脱している、こういうこと――私は別の問題でお尋ねしたんですが、こういうことをこの会議でもお答えになっております。したがって、そういうことになりますると、私はこれは――そういうお答えをいただいております。あります、速記録をごらんください。ですから、そういうことになりますると、私はまことに重大な問題だと考えます。おそらくこういう状態は、この宗教団体と政党とが少なくともこん然一体をなしている、完全に一つだ、こういうことは私は日本の憲法も予想しておらなかったんじゃないかと思う。したがって、そういう点で問題があるので、私は最後に言いたいことは、ぜひ調査会をつくってほしい。もしわれわれの認識が間違っておるならば、これは創価学会の方、あるいは公明党の方に対してもまことに申しわけないわけです。ですから、そういうことをほんとうに徹底して究明をいたしまするために、ぜひ調査会をつくってほしい。こういう会というか何というか、何でもけっこうですが、そういうところでこの問題を十分研究してもらいたい。もし私の言っておることが間違っておったら、これはまことに申しわけないんですから、ぜひそうしていただきたいということをお願いしたい。そこをひとつお答えください。

○佐藤内閣総理大臣 国会でどういうことをおきめになるか、これは別だと思います。私はいまお話で、西宮君別に結社の自由、これを否定しておられるのではないだろうと思うんですよ。憲法の二十一条、これは結社の自由というものをちゃんと保障しておりますからね。それはどういう連中だけで結社しちゃいかぬ、こういうものじゃない、かように私は思いますので、そういう点はよく御理解になって、そしてそれから先の問題は国会でおきめになることで、政府の関係するところじゃございません。

○西宮委員 前段は、もちろん私もよくわかっておりますよ。ただ政教分離をたてまえとした――結社の自由はもちろんですよ、結社はだれだってできる。ただ政教分離のたてまえ、これは憲法ですよ、憲法の規定ですよ。そういう政党と宗教団体とが一つだ、こういう状態は、私は少なくとも憲法が予想しておらなかった問題ではないか。したがってそういう点については――お答えがなくともけっこうですよ。だから、問題があるんだから、その問題を究明してもらいたい。そしてこれは、私が言ったのは、議会の中でそういう委員会をつくってくれと言ったのではないんで、宗教行政を担当する政府の中に、そういうやはり何らかの形でこの問題を究明していく――それはまあ委員会でも何でもけっこうです。何でもいいから、とにかくわれわれの判断が誤らないようなそういう機構なり組織なりをつくってほしい、こういうことをお願いしたいわけです。

○佐藤内閣総理大臣 御意見として伺っておきます。

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