Make your own free website on Tripod.com

“言論抑圧”のいま ゲラ刷りが流出、元警察官僚の本

(しんぶん赤旗 1999年12月1日)

「二度と同じ轍(てつ)を踏んではならぬと、猛省したい」。一九七〇年五月三日、池田大作会長(当時)はそう言明しました。前年発覚した言論・出版妨害事件へのおわび講演です。池田氏は同時に、創価学会と公明党の「分離」を天下に約束しました。三十年後、その約束はどう実行されているか。第四部では、現在の創価学会と公明党の関係を検証します。本題に入る前にまず、ことの発端となった言論・出版をめぐる現状から――。

ことし三月、一冊の本が出版されました。

『警察官僚が見た「日本の警察」』(講談社)

著者は、平沢勝栄氏。警視庁防犯部長や岡山県警本部長などを歴任した自民党の衆院議員です。この本をめぐる奇怪な情報をキャッチしました。最初のゲラ刷りにあった数ページがそっくり削除された。それは、創価学会・公明党にふれた部分だ――というのです。

ファクスや無言電話入る

削除部分になにが書かれていたか。事情を知る関係者が語ります。

「公明党・創価学会と警察との関係やそのなかでのさまざまな問題点が書かれていた。公明党は都議会で警視庁予算を左右する立場にあり、警察に強い影響力がある。警察官僚として体験した事実にもとづく問題点の指摘だった」

ところが、最初のゲラ刷りが出た段階で、事務所などに何通ものファクスや無言電話がはいりはじめました。

「ゲラ刷りの公明党・創価学会にかかわる部分を問題にして、『仏罰があたる』とか、池田大作名誉会長にかんして『私の先生を侮辱するのか』などと書かれていた。『南無妙法蓮華経』という言葉もあった。『次の選挙では総力をあげて落選させる』という趣旨の文句もあった」

このなかで、平沢議員は問題にされた部分を削らざるをえなくなった、といいます。当の平沢議員はこの経過について「なにもコメントできない」と話しますが、それにしても本来入手できないはずのゲラ刷りがどうして流出したのか。

前出の関係者は語ります。

「出版前のゲラ刷りを読んだ上での圧力だから恐ろしい。かつての言論・出版妨害事件を思わせる。ファクスの送り主の名前はないが、その内容からおのずと連想せざるをえない」

創価学会を公然と批判するには今も相当の覚悟がいる――。自自公連立のもと、前にもまして、そんな雰囲気が政界にただよっています。

輪転機は持たない方がいい

「言論妨害事件以降、雑誌での批判は仕方ないが、新聞やテレビに波及させない、というのが基本方針となった」と語るのは、創価学会本部広報室でマスコミ対策をしていた元幹部です。

「池田氏が新聞社首脳と会談する一方、担当記者への働きかけを大事にした。私も盆暮れの贈り物や池田氏のお土産を記者に届けた。そのときの反応を上に報告して、問題があれば手をうった」

元幹部によれば、池田氏はつねづね「われわれが輪転機を持つのは簡単だ。しかし、持たない方がいいんだ」といっていた、といいます。

聖教新聞や公明新聞の印刷を新聞社に発注して関係を深めるねらいです。「毎日」「読売」「朝日」などの全国紙・地方紙がそれぞれの関連会社などで印刷を受注しています。くわえて、新聞への大きな広告、売れ行きが保障された「池田本」の出版…。

「こうして『布石』をうっておけばいざというとき役に立つ」と、この元幹部は語るのです。

そんな新聞社が、公明党・創価学会の「政教一体」ぶりを厳正に報道できるのか――。この点もまた問われています。

(つづく)

特別取材班

Copyright(C)2002- 「日本専門」情報機関(日本の情報の収集と保存)