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北朝鮮による日本人拉致問題と日本共産党3

(『さざ波通信』第29号2002.11.11〜12.17)

3、なぜ転換したのか

不破氏らが拉致問題の棚上げと取れる主張を行なうようになった背景には、98年の党の路線転換とそれによる対外政策の転換がある。われわれが『さざ波通信』を立ち上げてまで党指導部批判を行なうようになったのは、まさしく98年の路線転換が党指導部によって打ち出されたからである。それは、安保廃棄政策を留保して政権参加をめざすものであり、以後今日まで政権参加を想定した政策転換・政策後退が体系的に行なわれてきた。与党となった場合には、外交問題として、中国・韓国・北朝鮮をはじめ、日本企業の主要な進出先である東南アジア各国とも良好な関係を追求せざるをえなくなる。不破・志位指導部が、「野党外交」と称して北朝鮮のような純然たる軍事独裁体制から準軍事独裁ないし開発独裁のアジア諸国の政権党との対話を追求しているのは、帝国主義国家日本の現状のままで政権入りを想定した外交政策の予行演習なのである。

つまり不破氏らは、社民党や一部自民党政治家と同じように、北朝鮮との関係改善のためには、拉致問題を厳しく追及しない方がよいと考えたのである。そもそも、北朝鮮との国交正常化は何のためのものなのか? それは、北朝鮮に対する「経済協力」や貿易の拡大に利害を有する日本企業のためではなく、東アジア人民の平和・安全保障のためであるはずだ。ところが、不破・志位指導部は、軍事独裁国家である北朝鮮を「きちんとした話し合いのできる相手」(『しんぶん赤旗』2000年8月24日付)として、その体制の性格を事実上無視してしまったである。

さらに志位委員長は、このような北朝鮮独裁政権、朝鮮労働党と日本共産党との関係改善が可能であるとの立場を表明している(「CS放送朝日ニュースター」のインタビュー)。繰り返しになるが、「トピックス」に掲載したわれわれの批判を引用しておこう。

国際規模で国家的犯罪を繰り返してきた政党と、これまでの論争問題さえ解決すれば、友好的な関係を築くことができるのだろうか? 国と国との関係においては、反動的国家とも国交を持つ必要がある。だが政党としては、どの国家、どの政党に対しても独自の判断基準を持たなければならない。自分たちの党に敵対しないかぎり友好的関係を持つというような態度は許されない。

安保廃棄・在日米軍撤退の旗を降ろして、隣国の軍事独裁の延命に手を貸すような政策が、曲がりなりにも革命をめざすことを明記した日本共産党綱領と相容れないことは明白だ。党指導部は安保廃棄の旗を降ろしたわけではないが、それを想定した政権入りの予行演習を行なうことで党の政策を後退させているのである。

日本を含む東アジア人民の平和・安全保障のためには、安保廃棄の闘いとともに、戦後補償問題の解決も、北朝鮮の国家犯罪に終止符を打つことも、いずれも不可欠である。そのために、われわれは北朝鮮における反軍事独裁体制の闘いや韓国における在韓米軍撤退の闘いとも連帯すべきである。拉致問題でいえば、われわれに求められているのは、日本の円(カネ)をちらつかせて北朝鮮を追い詰めるのではなく、同じように北朝鮮に拉致された韓国の被害者家族とも連帯し、韓国・北朝鮮の人民を味方につけて金正日を追い詰めることではないだろうか。日本共産党が現在なすべきは、共産党の無謬性と首尾一貫性をあとから取りつくろうために貴重な赤旗の紙面や全戸配布ビラを作成することではなく、これまでの共産党自身の認識の不十分性を認めつつ、今後同じ誤りを犯さない努力をするととともに、先に述べた運動の構築にこそ力を割くことであろう。

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