毎日新聞が、従軍慰安婦否定論に言及した
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毎日新聞が、従軍慰安婦否定論に言及した

(毎日新聞 2005年1月24日)

山田孝男(編集局)

発信箱:第2次「慰安婦」論争として

NHKと朝日新聞のケンカは「番組に対する自民党の圧力」問題と「番組制作上の歴史認識」問題の二重構造になっている。二つの論点は別の次元に属するが、歴史認識を無視して圧力を考えるわけにはいかない。報道に対する「圧力」は常に微妙な問題であり、一般論をもって個別のケースを律することはできないからである。そもそもどういう報道プランがあり、それがどう改変されたのか。具体的な事実経過を吟味しなければ、いいも悪いも判断のしようがないだろう。

問題の特集番組「戦争をどう裁くか/問われる戦時性暴力」(01年1月30日、NHK教育テレビで放映)のビデオを見たが、「圧力」を経た修正版にもかかわらず、「従軍慰安婦」の取り上げ方に危うさを感じた。92年1月、朝日新聞は「朝鮮人慰安婦募集に日本軍関与」の大報道を展開、直後に訪韓した宮沢喜一首相が盧泰愚(ノテウ)大統領に謝罪した。日本軍による慰安婦「強制連行」を糾弾する動きは相変わらず根強いが、強制連行を否定する実証的な反論も出ている90年代の慰安婦報道と日本政府の謝罪が、日本に「性奴隷」(海外ではsexslaveと報道)制度が存在したかのような誤解をまき散らしたという批判はさらに根強い

今回の騒動の本質は第2次「従軍慰安婦」論争ともいうべきものではないか。前回は朝日が火を付け、大半のメディアが同調した。今回も火付け役は朝日だが、メディアは自民党糾弾の一本調子で足並みをそろえてはいない。「圧力」を描く朝日報道の細部にはリアリティーがあるが、決め手に欠ける。(編集局)

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