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北朝鮮の「外貨稼ぎ事業」麻薬密売

(連合ニュース 1999年9月29日)

日本のMKグループ、北朝鮮と経済協力を推進

米国の対北朝鮮政策で「指針書」の役割を果たすペリー報告書が、国際的な問題として台頭している北朝鮮の麻薬密売に関し言及しており、注目されている。

報告書は、南北基本合意書の履行と離散家族再会問題など南・北問題とともに、一般的な問題として北朝鮮の麻薬密売問題を内容に含めることにより、北朝鮮が非正常的な方法で体制を維持していてはいけない、というメッセージを伝達している。これは北朝鮮がその間、麻薬やニセ札などを国際的に流通させ問題を惹起させてきたという点で、これに対して注意を喚起させたと分析される。

これにともない、北朝鮮の麻薬生産と密売実態などに対する関心が高まっている。

北朝鮮が外貨稼ぎを目的として国家的次元で麻薬を生産密売し始めたことは70年代中盤からであると考えられる。特に80年代中盤から経済的困難が加重されたうえ、東ヨーロッパ社会主義国家の崩壊により対外貿易が激減,、外貨不足が進行するなかで、国際的麻薬密売を積極的に推進したことが判明している。

さらに89年7月頃には、ケシ裁培面積拡張事業を展開、開城と平安北道寧辺、平壌市サンウォン郡まで拡大した。これらの地域で運営中のアヘン裁培農場は、多くは7千ヘクタール規模に達すると伝えられる。

また93年8月には、北朝鮮の代表的な製薬工場のナナム製薬工場(咸境北道清津市ナナム区域)を、年間100トン規模のアヘン精製工場として稼動し、95年の場合、アヘン40トンを生産したことが伝えられている。

米国務省も北朝鮮の麻薬生産、密売に憂慮を表明している。

米国務省国際麻薬法律執行事務局が、さる2月に公開した98年度「国際麻薬統制戦略報告書」では、北朝鮮が大規模な不法麻薬製造と取引疑惑を受けているとしながら、中国国境地帯で4,200〜7,000ヘクタールに達するアヘン裁培農場を運営している、と明らかにした。

この報告書はここで毎年30〜44トンに達するアヘンを裁培していることと推定し、これはヘロイン3〜4トンを製造できる量である、と指摘した。

報告書はまた、ロシアと中国は北朝鮮のアヘンが消費される市場であり、運搬ルートを活用し、アジアとヨーロッパで取引している、としながら北朝鮮の経済難を考慮すれば、政府レベルで外貨稼ぎ事業として推進していると分析した。

これとともに「以前にも米国はひきつづき北朝鮮のケシ裁培と運搬を観察する」としながら「北朝鮮の不法なケシ裁培面積が1千ヘクタール以上であるとか、北朝鮮産ヘロインやヒロポンが米国に影響を及ぼすという事実を立証できるならば、北朝鮮を麻薬生産国と麻薬経由国に指定する」と語った。

国家情報院もさる4月「北朝鮮の麻薬密売の実態および拡散動向」という資料を通じ「北朝鮮は1億ドルに相当する5トンの精製モルヒネとヘロインの密売に主力を注いている」とし「国家主導による北朝鮮の麻薬密売は最近、北朝鮮内の小規模犯罪組織だけでなく、個人を代理人として利用している」と明らかにした。

国連はさる88年12月「国連麻薬及び向精神性物質不法取引防止条約」を採択し、麻薬取引防止のための国際協力網の構築を強調した。それほど麻薬は隠密に取引されているのが特徴だ。

したがって、北朝鮮の麻薬裁培及び密売は徹底的に秘密裏におこなわれており、あらゆる事業は金正日党書記総秘書の秘密資金管理所である「労働党39号室」で総括していることが判明している。

労働党39号室は形式上、労働党の外貨を専担管理する部署だが、事実上政府の外貨管理総括部署である。さる76年、労働党財政経理部の一つが発足したが、88年に独立部署に改編された。現在室長は金東雲が担当している。

別名「ペクトラジ農場」と呼ばれるケシ裁培農場は「39号室」傘下の「5号管理部」で受け持っている。「5号管理部」は「39号室」直属の実質的な外貨稼ぎ機関として、各地方の市、郡にも部署が編成されている。すなわち「5号管理部」は住民生活とは関係がなく、市、郡内の機関、企業所、党組織を動員し別途の外貨稼ぎを行う「忠誠の当座金」調達機関である。

ここで推進されている外貨稼ぎ事業のなかでの重要な品目はケシだけではなく、金や銀、うさぎ革や松茸なども含まれている。

北朝鮮の麻薬密売は「39号室」をはじめとし、朝鮮大星貿易総会社対南事業部所属の元山・海州連絡事務所などの主管のもとに、海外公館や貿易商社などを利用し、海外で隠密に実行されている。

外交特権を利用し外交官が直接運搬したり、合法的な交易物品、医薬品などに偽装し、世界各国に密輸出する方法を活用している。

その結果、北朝鮮公館職員らが各国で麻薬を運搬、取引するのを摘発され追放されるケースが少なからず現れてきている。いままで海外で北朝鮮人が麻薬問題で摘発された事例は20カ国、50余件に達している。

昨年1月、メキシコ北朝鮮大使館チェ・ソンヒョン一等書記官とパク・ソンサン行政官ら2人は、コカイン35kg (4百20万ドル相当)を所持し、ドイツのフランクフルトよりルフトハンザ航空便でモスクワに到着、セレメテボ国際空港でロシア公安当局に逮捕されたが釈放となった。

彼らは帰国時にモスクワを経由し平壌へ向かう途中だったと陳述したが、フランクフルト〜モスクワ間の往復航空券を所持していた。

また97年4月には日本当局が北朝鮮貨物船「チ・ソン2号」を摘発、覚醒剤など麻薬類70kgを運搬した嫌疑で捜査したことがあり、96年11月にはウラジオストックでアヘン22kgを密搬入した嫌疑で北朝鮮公館職員を逮捕した。

一方、北朝鮮はこのように麻薬密売を通じて得た外貨を金総秘書の秘密資金だけでなく、労働党運営費、対南工作金、海外公館運営費などに使用していることが判明している。

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