Make your own free website on Tripod.com

北朝鮮軍の外貨稼ぎ会社の組織形態および運営体制・抄訳

(北脱出者同志会機関誌「望郷」9月号)

Vladimir

外貨稼ぎ会社の組織形態

北朝鮮軍には外貨稼ぎ会社が数十ケ所存在するが、組織形態はすべて異なる。一部の会社は規模も大きく人員も多いが、また一部では4〜5人で構成されている会社もある。人民武力部で最も大きい会社はメボン貿易総会社、隆盛貿易会社、紅葉貿易会社、洪城貿易会社などだ。

会社の特性によって、会社は全員がみな将校で構成されているかと思えば、一部の会社らは将校と民間人の混合構成となっており、民間人だけ構成されている会社もある。

軍では、原則的に北送在日帰国同胞を使わなくなっている。なぜなら彼らの中に韓国や日本から派遣されたスパイが多いということだ。

しかし金日成主席や金正日党書記の特別な新任を受けている朝総連幹部の息子たちは例外だ。実例では、紅葉貿易会社社長と空軍および2月6日貿易会社社長は、前朝総連幹部ハン・イクスの息子として兄弟の間柄だ。紅葉貿易会社社長は人民軍大佐で、2月6日会社社長は民間人の身分だ。

隆盛貿易会社は人民武力部後方総局直属の貿易会社として軍で規模が最も大きい会社だ。会社の総人員は1500人ほどで、本部成員だけ90人程度だ。会社には組織計画部、合弁部、輸出部、輸入部、生産部、財政部など9つの行政部署があり、会社構成員の党組織思想生活の指導する政治部、思想動向を監視査察する保衛部がある、副部長以上の幹部と政治部成員、保衛部構成員はすべて現役将校で、その他の構成員は民間人だ。会社指揮部は社長、政治部長、保衛部長、副社長2人がいる。

隆盛貿易会社には船舶会社、新進合弁会社、牡丹峰スキダ会社、アジア東方合弁会社などがあり、輸出品の生産基地がある。水産物の輸出生産基地としては咸境北道清津市、咸境南道新浦市、江原道元山市、平安南道オンチョン郡、黄海南道海州市、平安北道新義州市にあり、数十の漁船がある。

合弁部傘下に被服合弁工場(1046工場)、オンチョンに畳輸出工場、海州にいねわら肥料輸出工場、南浦に鴨の毛加工工場があり、海州市ステリに金鉱山を持っている。会社にはまた、3700トン級のテソンサン号、隆盛1・2・3号貿易船舶もある。

貿易会社の任務は会社ごとに異なる。メボン貿易会社は自分の傘下に輸出品生産基地を直接持っていながらも、各軍団が動員した外貨稼ぎ源泉を輸出し、その代価で利潤の3%を得る方法で外貨稼ぎをしている。軍団級部隊を代表する貿易実務機関とみればよい。この他にメボン貿易総会社は人民武力部の指示により軍人生活に必要とした4大物資を輸入する事業を行う。

洪城貿易会社は人民武力部25局傘下の貿易会社として銅、錫、亜鉛、鋼板などを輸出して自動車、掘削機など鉱山に必要な輪転機材を輸入する任務を遂行する。隆盛貿易会社は水産物、いね飼料、被服を合弁生産および輸出し、飼料用とうもろこし,、農作業用ビニールハウス、軍服生産用綿を輸入する。2月6日貿易会社は空軍司令部の貿易会社として外貨を儲け、航空石油など空軍が必要とする物資を輸入する。1年に日本に約4万余トンのいねわら肥料を輸出し、多くの外貨を稼いでいる。人員が5〜7人しかいない小さな会社は主に中継貿易の方法で外貨稼ぎを行う。日本産中古乗用車、冷蔵庫、カラーTVなどを中国とロシアに販売し外貨を稼ぐ。一部の会社ではロシアのマフィア組織と手を取合って、軍用ヘリコプターやタンクなど軍需物資を調達、第三国に売り渡す形式で利益を上げている。

人民軍の年間外貨稼ぎ目標は1億ドルだ。隆盛貿易会社の場合、10分の1に該当する1千万ドルを稼がなければならない。しかし武力部の全実績を見れば、毎年僅か3千万〜4千万ドル程度しかない。軍隊内の貿易会社は民間銀行に口座を開設できないため、取りあえず武力部所属の金星銀行にだけ口座を開設している。金星とは、金日成主席の青年時期、革命同志らが建設したことによる名前だと宣伝されている。この銀行は中国の広州とマカオに支社をおいている.。軍のあらゆる貿易会社はこの銀行にだけ口座を開設するようになっているものの、この秩序は正しく守られていないのが実情だ。なぜならこの銀行にお金を入れれば秘密資金を造成することができず、いつでも勝手にお金を引出すこともできない。ゆえに、ほとんどあらゆる会社が二つの口座を持っている。すなわち金星銀行と自分が信頼できる民間銀行に口座を持っているのだ。

運営体制

外貨稼ぎ会社に対する運営体系は、誰が武力部職員であるかによって変わることが慣例だ。1986年まではメボン貿易会社が軍隊内のあらゆる貿易会社の事業を総括するシステムであった。1987年、総参謀長呉克烈が人民武力部長の代理任務を遂行した際、武力部の機構体系を改編してさまざまな総局を作った。この時に金、銀、銅生産と輸出を専担した第25局を総局として昇格させ、メボン貿易会社をはじめとする軍隊内のあらゆる外貨稼ぎ会社が25総局の指示を受けるように改めた。そして総局長には人民武力部副部長大将イ・ピョンウクを任命した。

1989年、呉克烈が軍から追い出されると、呉振宇は呉克烈が改編した機構を再改変した。その結果25総局は25局となり、輸出入業務の権限は剥奪され有色金属生産だけを担当するようになった。輸出と輸入の権限はメボン貿易会社に委譲された。メボン貿易会社は総務役会社となり、また軍隊内のあらゆる外貨稼ぎ会社を掌握、統制するようになった。

時とともに、メボン貿易会社が過度に権勢を振るい、横暴を行うということが提起され、隆盛貿易会社のようで規模が大きい外貨稼ぎ会社とメボン会社との意見衝突が生じ始めた。特にメボンが輸出許可証を独占し、自分と利害関係がある会社にだけ利得を与え、他の会社には不利益を与える偏向が現れた。このようなことから、多くの外貨稼ぎ会社はメボンを通さず民間貿易会社との連係で輸出を行うようになり、利潤を得ることができるようになったのは結局、民間貿易会社だった。

このような非合理的な事業システムを解決しなければならないという意見が高まり始めた。その上、民間貿易会社との闇取り引き関係が進み、稼いだ外貨を国家に全額収めずに横領するなど各種の不正が深刻な問題として提起された。

総政治局を通じてこのような問題が金正日党書記に報告された1995年2月、金正日党書記が党中央委員会で軍事部に人民軍の外貨稼ぎ全般の実態を把握し、必要な対策を立てるよう指示した。党中央委員会軍事部は2ケ月間、武力部所属の外貨稼ぎ機関等の事業体系と外貨稼ぎの実績などを把握し、機構体系を新しく改編した。

実績が振るわない会社は閉鎖、統廃合してメボン貿易総会社による軍隊内のあらゆる貿易会社を掌握、統制する機能を廃止して、人民武力部に外貨稼ぎ会社を掌握、指揮する専門行政機構の44部を、軍団級部隊には34部を組織した。

44部は武力部副部長大将イ・ピョンウクの指示により、人民軍の全体的な外貨稼ぎ計画を立て、各貿易会社に命令し、その執行を掌握、統制して実績評価をくだすようになっている。また各会社の輸出および輸入品目を規定し、輸出許可証を配当することになった。44部自体が専門外貨稼ぎを実行する実務機関でなく、これをを指導する行政機関であるがゆえに、複雑な問題があまり提起されなくなった。

Copyright(C)2002- 「日本専門」情報機関(日本の情報の収集と保存)