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米軍情報機関

(趙甲済著「国家安全企画部」JICC刊:P78〜P80)

韓半島周辺は、アメリカとソ連の電子諜報戦がもっとも熾烈に展開されているところだった。一九六八年一月にアメリカの電子通信情報艦プエブロ号が北韓海軍によって享捕され、一九六九年には日本海沿岸を定期的に偵察飛行していたアメリカの電子諜報機EC-121機が北韓空軍によって撃墜された。北韓は一時、北韓および中国上空を飛行していた世界最高速(音速の三倍以上)の諜報機SR-71(主に映像・写真情報を収集)にミサイルを発射したが命中しなかった。このほかに、U-2機、RC-135機(主に電子通信情報収集)、そしてスパイ衛星と沖縄から飛んでくる早期警報および管制機(AWACS)EC-3Aが、韓半島の軍事情勢を探知する巨大なシステムを作り上げている。駐韓米軍と米空軍の対外公開資料、そして『情報社会」("Intelligece Community"・一九八五年米国アメリカン大学刊行)のような書籍は、韓半島内外の情報収集の現況を詳細に明らかにしている。SR-71、EC-121などによる通信情報の収集は、NSA(国家安全保障局Nathional Security Agency)が駐韓米軍と緊密に協力して担当しているという。ソ連も同じような方法で北韓のために早期警報機を韓半島周辺に飛ばし、北韓の早期警報機能を代わりに引き受けている。

韓国で活動しているアメリカの情報機関はさまざまだ。

米八軍傘下には四つの大隊を率いる五○一陸軍情報団がある。主に対北関係の戦闘・戦略情報収集に従事している。韓国で活動した歴史がもっとも長く、一時は韓国軍部と政治に関連した活動も行なった。鳥山米七空軍司令部基地には、米空軍の電子保安司令部(Electronic Security Command)傘下の基地がある。この保安司令部は、電子通信保安、電子スパイ戦争(Electronic Warfare・無線傍受、電子妨害など)などの任務を担っている。司令部はテキサス州サン・アントニオにあり、太平洋地区電子保安司令部はハワイのヒーカム空軍基地にある。鳥山基地にある部隊は、太平洋電子保安司令部の傘下である。

金日成死亡説の震源地がこの部隊だったという噂もある。米第七空軍は、この他にOSIという保安部隊をもっており、海軍にも同じような性格の部隊がある。

国防省所属ではないが、NSAは、韓国のいたるところに通信傍受基地を置き、北韓・中国・ソ連の通信情報を収集している。

この部隊は駐韓米軍司令部の直轄部隊ではなく、支援部隊である。NSAは一時、青瓦台など韓国内部の通信まで傍受しているという疑いをもたれたことがある。

龍山米軍基地内には、米空軍特殊活動部隊(Special Activities Center)の太平洋地区本部傘下の第三二派遣隊があり、対人情報収集を担当している。帰順者(北朝鮮から韓国に亡命した人)の身分や敵に対する地下工作などを主な任務としているのである。

国防情報局(DIA)は、陸海空三軍の情報機関から上がってきた情報を総合、分析する機関である。米合同参謀本部傘下にあり、韓国には情報員を常駐させていないという。特別な事件が起これば、専門家チームを現地に送ることもある。

駐韓米軍と米太平洋地区司令部の情報部隊などで収集した韓半島関連の情報は、韓米連合司令部に集中される。

連合司令部には情報分析専門家が多数いて、この情報資料を綿密に判読、分析、評価する。

八四年に、アメリカのスパイ衛星が北韓のある飛行場にふだん見られなかった機種の航空機が置かれているのを写真撮影した。この写真を判読した連合司令部の米軍将校が、この新型飛行機に注目した。連合司令部では、既存の電子・通信傍受資料のなかから、その飛行機のパイロットが管制塔と交信した部分を探しだした。ここで疑いはより固まった。連合司令部でこの問題を提起、米国の情報機関がこの謎を解くために動員された。

その結果、この飛行機は、アメリカ・ヒューズ社で造られたヒューズ500D型ヘリコプターで、西ドイツのある会社が輸入し、北韓に売った八十七機のうちの一機であることが明らかになった。500D型は、商業用であるが、容易に軍用に転用できる。軍用に転用された場合、韓国軍がもっているヒューズ社の軍用ヘリコプターと混同され、対南侵略に使用される可能性があった。

米軍情報機関はこの情報をアメリカFBI(連邦捜査局)に提供し、捜査させるようにした。この問題が世間に知られたのは、一九八五年二月二日、FBIが捜査に着手したことを発表した時だった。

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