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メディアの解体−ワールドカップと北朝鮮報道の正体を暴く、メディアリテラシーの新しい波。

(「現代コリア」1・2月号/第428号)

西村幸祐

メディアに対峙するネット

ワールドカップ終了後の七月二日、朝日新聞が担当記者の座談会を掲載したが、大会中の報道を上書きするような内容だった。つまり、自省も何もない自己正当化だけが主張されていた。ヨーロッパの新聞だけでなく中国や台湾の新聞も審判への疑惑に触れていたのだが、日本のメディアはそれらの疑惑を否定した座談会を掲載した。さらに「週刊朝日」では居直りと言える編集後記を掲載した。

「気になった現象があります。日本が決勝トーナメント一回戦で敗退し、韓国が四強進出を決めて以降、こんな匿名メールが編集部に来るようになりました。『韓国戦で誤審が多いのは意図的と思われてもしょうがないのに、日本のマスコミはそれをきちんと報道していない』『韓国のサポーターは日本の敗戦を大喜びしていた。共催国として許せない』『韓国戦以外、スタジアムはガラガラ。なぜ日本のマスコミはこの事実を伝えないのか』韓国の熱狂と大活躍をたたえる報道が日を追うごとに増えたせいか、インターネットでは、もっと下品な表現で偏見に満ちた『韓国妬む』言葉が飛び交っていたようです。(中略)W杯は人々のナショナリズムに火をつけると言われます。政治・経済の閉塞的状況下、日本人の『苛立ち』が、こんな歪(いびつ)な形で噴出しているとしたら、あまりに貧相な感じがします。」(加藤明「週刊朝日」七月十二日号)。

しかし、貧相なのはこの編集後記を書いた人間の取材力と想像力なのではないだろうか? 四強進出以前から巻き起こったメディア批判を一方的に無視した傲慢な態度と事実を認識できなかった無能力こそ反省すべきである。この半年後、「週刊朝日」は拉致被害者の取材でも醜態を晒し、編集長が地村家にお詫びに行くという騒動も起こした。 また、三位決定戦の韓国対トルコ戦を中継したフジテレビがトルコの表彰シーンをCMでカットしたことも話題になりフジテレビに抗議が集中した。四位の韓国の表彰式しか放映されなかったからだ。しかも、表彰式の最中に韓国サッカー協会会長、FIFA副会長の鄭夢準が胴上げされたシーンが放映された。もともと日本が八〇年代末から開催を希望していた二〇〇二年W杯を韓国との共同開催に持ち込み、二〇〇二年十二月の大統領選挙に立候補する予定だった鄭夢準にとって、韓国四位は絵に描いたようなシナリオになった。

怒ったサッカーファンはネット上で呼びかけ、同局のイベントで湘南海岸のゴミ拾い企画があったのだが、イベント前日の夕方から湘南に集まり、雨の中を徹夜でテレビ中継が行われる江ノ島海岸のゴミを先に一掃してしまったという伝説も生んだ。

金完燮はこう私に言う。「もし、2002年W杯に意味づけをすると、仲が悪く嫌い合っていた二つの国家が、本当の意味で友好的になった時に、共催したら意味があったでしょうが、今現在、これだけ両国が懸け離れた状態で行われたから、これだけ奇妙な形になったと再認識できたという事だと思います」

新聞や通信社、テレビ局などの電話による世論調査では日韓共催への肯定意見が多く、韓国を身近に感じるようになったという設問も軒並み半数以上が肯定しているのだが、ネットでのアンケートは全く逆の結果になっている。TBSラジオがネット上で行ったアンケートでは、なんと、八十五%が「あなたの中で日本と韓国の”距離感”は縮まったと思いますか?」という質問にNOと答え、フジテレビがネット上で行った「ワールドカップは成功だったと思いますか?」という質問は九十九%以上が「いいえ」と答えている。新聞社、通信社の従来の手法による電話アンケートと全く正反対の結果が出ているのだ。

この数字は明らかに朝日新聞を中心とするワールドカップ報道への怒りが表れたものであり、能動的に投票できるネットアンケートならではの数値だ。VOTEというアンケート専門サイトがあるが、ここでも「W杯報道!日本のメディアは信用できたか?」という質問に「冷静で客観的な報道だった」は二百三十一票で僅か一%、「伝えられるべきことが伝えられませんでした」に一万七千四百四十四票の九十九%がNOと突きつけている。

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