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飛ぶ憶測 金大中政権の対北巨額送金疑惑 「金正日秘密口座」/首脳会談の貢物 「捜査」めぐり思惑交錯

(産経新聞 平成15年2月1日)

【ソウル1日=黒田勝弘】韓国の金大中政権下での北朝鮮に対する巨額の秘密送金疑惑は金大統領が「司法審査(捜査)の対象としては適切ではない。民族と国家の利益のため理解してほしい」と事実上認めたことから、その目的や送金の時期・ルートをはじめとする資金の流れなど「疑惑の真相」に内外の関心が集まっている。

検察捜査については同じ与党政権ながら盧武鉉・次期大統領サイドは「捜査すべきだ」の立場を取っており、金大中大統領の考えとスレ違っている。今回の疑惑は野党サイドのかねての主張が確認されたかたちで、旧正月明けの三日以降、韓国は真相究明をめぐって大荒れの見通しだ。

疑惑のポイントは、金大中大統領が金正日総書記との南北首脳会談で平壌を訪問した六日前の二〇〇〇年六月七日、北朝鮮との経済支援事業を進めていた現代商船が国策銀行の産業銀行から四千億ウォンの緊急融資を受け、うち二千二百三十五億ウォン(約二億ドル=約二百四十億円)を「対北朝鮮事業」に流用していた点だ。

こうした時期を考えると金大中政権は念願の南北首脳会談開催のため、この資金を一種の「貢物(みつぎもの)」として北朝鮮にひそかに送金していたのではないかというわけだ。

当時、金大中大統領の平壌訪問の日程が直前になって突然、一日延びたのも「予定の送金が北朝鮮側に着くのが遅れるなど、金がらみで何らかのトラブルがあったためではなかったか」とする見方さえ出ている。

また産業銀行の元幹部が、現代商船への融資金の返済が滞った際、情報機関の国家情報院首脳から「心配しなくてもいい」といわれたと証言していることなどから、流用資金はまず国家情報院に渡った後、外貨に替えて海外の北朝鮮側口座に送金されたのではないかとの観測が出ている。

監査院は二千二百三十五億ウォンの行方について、現代商船が北朝鮮側と結んだ事業合意書などを根拠に「対北事業に使われたようだが、口座追跡の権限がないため金の流れは分からない」としている。

現代商船など現代グループの対北事業は、金剛山観光開発や南北の道路連結、工業団地造成など七項目が挙げられているが、現代商船が産業銀行から受けた融資の使途には対北事業は含まれていない。したがって問題になっている約二億ドルの「秘密資金」と対北事業の関連はまったく明らかでない。

今後の検察捜査で口座追跡が行われた場合、送金先として金正日総書記が海外に設けている秘密口座が明るみに出る可能性も取りざたされている。海外の“金正日秘密口座”は核やミサイル開発など金総書記の「軍事大国路線の金庫」とみられており、国際的に波紋を呼ぶことは間違いない。

一方、金大中政権の対北資金疑惑を追及している野党ハンナラ党は「今回の二億ドルは氷山の一角にすぎない。他の企業も利用しているはずで総額六億ドル説もある」と主張している。

韓国各紙によると、金大中政権下で北朝鮮に提供された資金や物資の総額は十三億ドルに上る。うち現代グループは金剛山観光の代価として送金した三億八千万ドルをはじめ五億六千万ドルを使っている。中には放送各局が「南北放送交流」と称して贈った数万台のテレビも含まれている。

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