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差別を無くす為の「通名の使用禁止」

在日外国人は、様々な理由により、通名を使うことが許されている(日本人でも、同一性障害の場合などでは、通名が使用できる)。国際化とともに在日外国人は増加の一途を辿っているが、それとともに差別の問題も色々と提起されている。そこで通名と外国人差別の問題を考えてみたい。

まず通名とは、戸籍に記載された本名ではなく、社会生活をする上で使う通称である。在日外国人の場合、本名「外・国人」だけど、普段の生活では通名「日本・太郎」を使うという感じである。差別されるからという理由で通名を使用する場合、日本人として振る舞うために日本風の通名を使うことが多い。

しかし通名を使うからこそ、差別されるのではないだろうか? 差別の一つに、風評被害がある。悪い噂が原因で差別されるというものだ。そこで噂の研究を調べてみよう。

噂の研究に「オルレアンのうわさ」がある。フランスのオルレアンで流れた「ユダヤ人が、少女を誘拐して、売り飛ばす」という噂の社会学的分析なのだが、どうもネット上では都市伝説という見方しかされていないようだ。リンク先もまたそうで、女性誘拐を行なっているブティックが「5軒までがユダヤ人経営の店であり、残る1軒も、噂の少し前、ユダヤ人の前店主から引きつがれた店」だったということしか指摘していない。実は、重要なことを書いていないのだ。

ユダヤ人だから噂の対象になったわけではない。フランス人らしいユダヤ人だけが噂の対象になったのであり、ユダヤ人らしいユダヤ人は噂の対象にはならなかったのである。すなわちフランスに同化し、フランス人として振る舞っているユダヤ人が、風評被害にあったのだ。

ところで通名は、日本人として振る舞うために使用されるものである。通名を使用する在日外国人は、日本人らしい在日外国人であり、「オルレアンのうわさ」に従うならば、風評被害にさらされることになる。そして「オルレアンのうわさ」では、噂の対象は、数名のユダヤ人から全てのユダヤ人へと拡大した。ならば現代社会においても、風評被害の対象は、数名の在日外国人から全ての在日外国人へと拡大するだろう。

そんな馬鹿なことがあるわけがない。日本人は、自分は、それほど愚かではない。そう言う人は、関東大震災直後の『朝鮮人による井戸水への毒混入』話を忘れてしまったのだろう。通信社の配信記事が新聞に掲載されたことが、噂の拡大に一役を買ったわけだが、通信社の記者はいったいどこで取材し、ニュースソースを手に入れたのだろうか? 最初の事件化は、「オルレアンのうわさ」と同じではなかっただろうか? つまり「『日本人らしい』朝鮮人が、井戸に毒を投げ込んだ」という噂が流れ、それが新聞記事を通じて広まる過程で、「朝鮮人が、井戸に毒を投げ込んだ」となったのではないだろうか?

もちろん関東大震災直後のことなので、いわゆる創始改名令は出されてない。だから朝鮮人が日本風の名前を使用していたはずはない。と思ったのだが、朝鮮人は、日本風の名前を通名として使っていた。だから当時の日本風の通名を使っていた朝鮮人が、「『日本人らしい』朝鮮人」であったことは間違いないだろう。「赤い靴」の歌詞が、青い目の異人さんが女の子を攫って行ったと誤解させるようなものであるにも関わらず、白人ではなく朝鮮人が風評被害の対象になったのである。

このことの意味を、単なる民族差別・朝鮮人蔑視と片付けず、社会学的に考察する必要があるのではないか。人間は、単に異質なものに不安や恐れを抱くのではなく、自分と区別がつかない異質なものに不安や恐れを抱くのである。それが噂として現れ、差別へと向かうのではないだろうか。

とすれば、在日外国人の「通名の使用禁止」は、差別解消の一つの方法だろう。実際、通名を使用しない中国人に対する差別は問題化されず、通名を使用する朝鮮人に対する差別が問題化されている。

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